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日曜日の夜、玲奈の自宅。夕飯が終わって父親と玲奈がリビングでくつろいでいる所へ、玲奈の母親が薄いパンフレットを持ってやって来る。
母親「ちょっと玲奈。あんた婚活パーティーに行きなさい」
床に寝転がってテレビを見ていた玲奈が驚いて上半身を起こす。
玲奈「何よ、母さん、急に」
母親「県庁の肝いりで定期的に開いている婚活パーティーがあるの。ちょうどあんたのバイトが休みの日に開かれるのがあるから、行ってきなさい。ちょっとお父さんんも他人事みたいな顔してないで、この子に言ってやって」
父親「いや、そんなに慌てる事もないんじゃないか? 玲奈はどうなんだ」
玲奈「あたしもまだピンと来ないかなあと」
母親「何言ってるの! この子はもう28なのよ。早すぎる事はないわよ」
父親「まあ、試しに行くだけ行ってみたらどうだ?」
玲奈「ええ!」
母親「となれば、問題は服装ね。玲奈、あんた一番おしゃれな服着て来なさい」
玲奈「ええ? 今?」
母親「今よ。婚活パーティーなんだから、それなりの格好でないと」
玲奈「はあーい」
五分後、二階の自分の部屋で着替えてきた玲奈がリビングに戻って来る。母親が片手で額を押さえて嘆く。
母親「ちょっと、それが一番おしゃれな服なわけ?」
玲奈はジーンズにスポーツブランドのロゴがでかでかとプリントされた半袖シャツ、肩からトートバッグを下げている。
玲奈「ええと、今の季節のだと、これが一番いいやつなんだけど」
母親「どこの世界にそんな恰好で婚活パーティに出る人がありますか! あの何とかって戦隊のメンバーのみなさんに電話しなさい。アドバイスをしてもらいましょう」
玲奈が倫に電話をかけ、途中でスマホを母親に渡す。
母親「いつも娘がお世話になっております。はい、沢木玲奈の母でございます。あら、そうですか、お手伝いいただける。それでは次のみなさんのお休みの日に。はい、よろしくお願いします」
特産品ショップFortressの定休日、玲奈の自宅。玄関のインターホーンが鳴り、玲奈の母親が沙羅を招き入れる。
母親「まあ、すいません。せっかくのお休みなのに」
沙羅「いやいや、どうせヒマ持て余してるだけだし」
母親「どうぞ、こちらへ」
母親が沙羅をリビングに通す。先に倫、智花、瑠美が来ている。
倫「来たね、沙羅ちゃん。これで全員そろったね」
沙羅「なんか面白そうだかんな。で、それが候補の全てか?」
床に座っている玲奈の横に服の山が出来ている。母親が麦茶のグラスを運んで来て沙羅に渡す。
母親「沙羅さんでしたっけ? あなたぐらいおしゃれのセンスがうちの娘にあれば」
沙羅「ま、とりあえず見てみるか」
しばらく服を次々に見た沙羅がため息をつく。
沙羅「そもそもスカートがほとんどねえな。パンツばっかし」
玲奈「あたし昔から普段着でスカート履かないんですよ。現役の選手時代はどこへ行くのもジャージだったし」
瑠美「こりゃ買いに行くしかねえな」
智花「沙羅ちゃんの服を借りるというのは?」
沙羅「ううん、サイズが合わないぞ。玲奈はあたしよりずっと大柄だからな」
母親「よし、街へ買いに行きましょう、これから。みなさん、付き合って下さいます?」
玲奈「ええ? 今から買いに行くの?」
母親「お金はあたしが出すわよ」
玲奈「いいよ、悪いよ。それに他の時は、あたし、まず着ないし、その服」
瑠美「買わなくてもレンタルブティックでいいんじゃね?」
母親「レンタルですか? そんなお店がどこに?」
瑠美「千原城駅の近くについ最近開店したのがあるんですよ。レンタルなら相当高級な物も安く借りられますよ。サイズも豊富だから、玲奈のサイズの服もいろいろ選べますし」
母親「なるほど、それは良さそうですね。じゃあ、さっそく行ってみましょう」