キャラside
僕は胸騒ぎがして眠れなくてリビングで座っていた。
なんだか何かが起こる予感がして。
ただの勘?それとも元々僕にある力が働いている?
よくわからない。
でも、今日ばかりは何かが起こるような気がしてならなかった。
キャラ:「ハァ…」
僕は心にある不安を外に出すかのように羽を伸ばした。
僕には似つかわしくないくらいに、白い天使の羽を。
キャラ:「……何も起こるはずがないのにね。」
僕は羽をしまい、逃げるように部屋に帰ろうとした
ピンポーン
キャラ:「…?」
…こんな夜中に来客…?
僕は玄関に向かった。
僕はインターホンの画面を見た。
キャラ:「…」
ああ、何度も見たあの顔だ。
アザと傷のあるあの顔だ。
僕はゆっくりとドアを開け、外に出た。
キャラ:「ごきげんよう。」
僕は胸に手を当て、わざとらしくお辞儀をした。
???:「やあ。まさかお前が出るとは思わなかったよ。」
僕の超わざとらしいお辞儀に苦笑しながらも、少し安堵したような笑顔の男はそう言った。
キャラ:「どうやってここがわかった?」
???:「偶然ってすごいよね。今日、お前がここを出てどこかに出かけるところを見たんだ。バッグを持っていたあたり、買い物だろ?」
キャラ:「ハッ、そんな状況だけの憶測なんて馬鹿馬鹿しい。」
???:「えぇ…(´・д・`)」
馬鹿馬鹿しい顔をした男はまるで「違うの…?え、違うの…?」とでも言いたげな表情をしていた。
でも、僕にも偶然見たものがあるわけで。
キャラ:「けど偶然って本当にすごいよね。まさかあんたに恋人繋ぎをしながら歩けるくらいに仲のいい男友達がいるなんて思いもしなかったよw」
???:「ちょっと待てそれはどこで見た」
男はうろたえた。僕は不覚にも少し笑ってしまった。
キャラ:「ああ、僕が好きだった花畑だよ。あんたなら覚えてるだろ?」
???:「お前もそこにいたのか?気づけなかった僕が馬鹿みたいだよ…orz」
男はしょんぼりとした顔をした。
あーあ、そんな顔させるつもりじゃなかったのになぁー。
???:「でも、見たならもう何が起こったかわかってるだろ?」
僕はちょっとからかってやろうと思った。
キャラ:「不倫?」
???:「エェ…離婚したんだけどそれでも不倫になるの??サラニorz」
予想していない事が知らないうちに起きていたみたいだ。
キャラ:「あぁ、そういうことか。離婚、おめでとう。」
???:「ありがとう。」
男は「やっと解放されたよ」と言いたげな顔をした。
???:「…でも、さっきの反応だと、受け入れてくれるってことでいいんだよな?」
キャラ:「当たり前じゃないか。」
???:「…ありがとう。」
嬉し泣きしそうな男は僕にお礼を言った。
???:「そういえば…お前、髪が長くなったな。目の色を見ないと誰だかわからないよ。」
キャラ:「切るつもりはないよwそれに、あんたは別にいいか知らないけど僕の目の色のついて言及するのはやめてくれ。」
僕は少し笑いながらそう言った。
???:「ええ?こんなにも綺麗なスピネル色の目なのに?」
キャラ:「それを言うなら血の色じゃないか?」
???:「なーにをふざけたことを。もっといい言葉がある。ガーネットだ。」
キャラ:「なるほど、あんたはどうしても僕を悪魔だとは思いたくないわけだ。」
???:「お前は人間だろ?それに、もしもお前が悪魔だと言うのなら、僕だって悪魔だ。」
男は意地悪そうに笑った。
ハハっ、コイツの方が1枚上手だったかw
キャラ:「わかったよ、僕の負けだ。僕はあんたの言う通り人間だよ。でも、僕は人間が嫌いなんだ。あんたを除いてだけど。」
???:「『嫌い』?お前のことだから『本当は仲良くしたいけど、関わりに行くのが怖い』の間違いだろ?」
…訂正、2枚上手だった。
キャラ:「離れていてもお見通しってわけか。」
???:「そうだね。」
その後はずっと他愛のない話をしていた。
僕は気になって、…少し不安になって、こんなことを聞いてみた。
キャラ:「あんたは僕が産まれたことを後悔してるかい?」
???:「そんなことするわけないだろ。僕を誰だと思ってる?」
男はまた意地悪そうに笑った。
キャラ:「さあな。僕の目の色を、力を知っても、離れ離れになるまで無条件に愛してくれた_____」
僕は小さく息を吸った。
キャラ:「父さんだろ?」
僕の目には、少し涙が溜まっていた。
???:「そうだな、」
リアム:「正確には、ケツイの力はDNAの遺伝だけど。」
その男___父さんは、僕の頭に手を乗せた。ああ、何年ぶりだろう。こうやって人間の大人から頭を撫でられるのも、
僕を愛してくれた人に無事に会えるのも。
リアム:「……この数年間で何があったと思う?あいつは僕の拒否も聞かずに僕と子供を作った。あいつは浮気をしていたけど、娘の遺伝子は僕とあいつのものだった。そして、また何か気に入らなかったのかその子を虐待していた。だから離婚して、親権も奪い取った。」
…父さんも、この数年でかなり壮絶な経験をしたらしい。
そして、話を聞く限り、僕には妹ができたらしい。それも、血のつながった妹が。
キャラ:「父さん、妹にはいつ会える?」
リアム:「今はここから1番近くのホテルに寝かせてるから明日にでも。ごめんよ、こんな時間に。あまりに寂しくてなんだかとち狂ってしまったみたいなんだ。」
キャラ:「いいや、僕も眠れなかったからちょうどいい時間に来てくれたなって思ったよ。」リアム:「そうか。」父さんは、少し苦笑した。
リアム:「とにかく、お前に会えて本当によかった。」
キャラ:「僕もだよ、父さん。」
ギュッ…
キャラ:「!」
父さんは僕を抱きしめて言った。
リアム:「ただいま、キャラ。」
僕はそれに対して返した。
キャラ:「おかえり、父さん。」
僕はこんな時間が永遠に続けばいいいと思った。
…が、そんなものが続くわけがなく…
アズリエル:「キャラ!こんな時間に何してるの!?それにその男の人誰!?キャラ、もしかして何かされたの!?」
アズが降りてきてしまったようだ。
多分、話し声で気づいてしまったのだろう。
キャラ:「よーし、一旦落ち着こうかアズ。明日しっかり説明するから父さんはホテルに戻ってよ。」
リアム:「嘘でしょ!?せっかくキャラに会えたのにーーッ!!(泣)」
父さんは僕とおさらばしなければいけないという現実を見てわめいていた。
感動の再会だったとはいえ全く情けない…(呆)
キャラ:「明日会えるじゃないか」
リアム:「あ、そっか」
アズリエル:「父さ…え?ど、どういうこと!?」
キャラ:「明日説明するからお前は寝ろ。」
アズリエル:「う、うん…」
アズはさっさと部屋に帰って行った。
僕も「おやすみ」を言うために父さんの方に向いた。
キャラ:「それじゃ。おやすみ、父さん。」
リアム:「ああ、おやすみ、キャラ。」
僕はドアを閉めて寝室へ向かった。
明日はきっと、大忙しだろうなぁ。
僕はそう思いながら眠りについた。
コメント
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素敵な親子だぁ✨