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《散らぬ花》………。
それはこの世の運命を越え、記憶が途切れぬ者達のこと。
つまり、前世を覚えているということ。
勿論、そんなことは物凄く稀である。
時折生まれるそれは、神の手違いが、遊び心か。
はたまた妖の仕業か。
《散らぬ花》の者達は、生まれ変わりせず冥界で働くことが多い。
サーメルカークもその一人。
魂の記憶をその手に握る者達。
不思議の中の不思議だそうだ。
「え……なんと仰いましたか?」
マヌーレさまが首をかしげ、サーメルカークの顔を覗き込んだ。
「あっ…えっとっ」
思わず口に出していたのか、と慌ててしまった。
これでは余計に怪しいではないか。
不安な思いをお客さんにさせては行けない!
「どうなさったの?サーメルカークさん…?」
訝しげに問うが、答えを言うのが遅れた。
どうしよう、女将さん。
マヌーレさまに違和感を覚えながら、なんでもない、と返事した。
納得はしていなかったようだが、一応頷いてくれた。
それから掃除を済ませ、微笑みを浮かべて部屋を出た。
「失礼いたしました」
「は~い」
襖を閉め、壁際に張り付いて中の音を聞いた。
盗聴なんてしたくないけどすごく気になってしまった。
訳の分からない何かを疑ってしまった。
すると。
思いがけず聞こえてきたのは歌だった。
どこの歌かは知らないが、流れるような声は美しかった。
「~~♪~~~♪」
マヌーレさまの穏やかな歌声は、廊下にまで微かに聞こえてきた。
心が洗われるようなきれいな歌は、耳に心地よい。
盗み聞きしていた自分を恥ながら、その場を後にした。
ちわーっす!藍音です!
サボってました!!
アカウント使えなくなって困る。
バイバーイ☆