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「ねぇ蒼空、オバケちゃん達着いてきちゃったけどいいの?」
と言いながら私は足元に沢山いる
オバケを見る。
「多分、大丈夫だろ」
「こっち、着いてきて」
そう言って私たちが歩き出すと
当然オバケ達もぞろぞろと着いてくる。
どのくらい歩いただろうか。
「ねぇ、まだ着かないの?」
「もうちょっとで着く」
「もう疲れた….」
「あと少しだから頑張れ」
「もう1時間くらい歩いてない?」
「そんな経ってない。」
「時間感覚バグってるだろ」
「絶対経ってるって!!」
「ちょ、声でかい!」
「あ、ごめ────」
謝ろうとしたが、
周りの人が一斉にこちらを向く。
早く逃げないとオバケ達が捕まってしまう。
「走れ!」
「本当にごめん!!」
「いいから!」
「着いた。早く入って」
「うん…」
案外走った方が早く着いたのかもしれない。
「なんだこれ….」
「どうしたの?」
「俺の家なのに全く構造が違う….」
「それお父さんの場所分からないんじゃ…」
「探すしかない」
「でも何となく上だろ」
「階段で行った方がいいかな?」
「そうだな」
「あ、オバケは勝手に消えたりして着いてくるから安心しろ」
「分かった」
びっくりした。
まさか言おうと思ってたことを
当てられるなんて。
まさか超能力者なんじゃ…。
そのとき、誰かに腕を引っ張られる。
まさか気づかれた!?
そう思ったが私を引っ張ったのは
オバケちゃんだった。
「何?」
「プー」
『あげる』
そう言ってオバケちゃんは
私に大事な紙のようなものを渡してくる。
その紙には『全人類を洗脳するには・・・』と書かれていた。
こんなものどこから持ってきたのだろうか…。
その前にこれ、蒼空に見せないと…。
そう思い、先程の道に戻ると
先に行ってしまったのか蒼空の姿は無かった。
「え….やば…。」
「どうしよ….」
「卯川」
急に蒼空の声がした。
驚いて声をあげそうになったが
勘づいた蒼空が私の口を手で塞いだ。
「危っな…」
「ごめん」
「勝手にどっか行くのやめて欲しいんだけど」
「心臓止まるかと思った…」
「ごめん….でも、これ見て」
そう言って私は先程の紙を見せた。
「これ、父さんの字…」
「え…なおさら止めなきゃじゃん…」
「大丈夫。卯川が居ない時父さんの部屋を見っけた」
「本当?」
「うん。着いてきて」