TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
俺の幸せな旅行

一覧ページ

「俺の幸せな旅行」のメインビジュアル

俺の幸せな旅行

1 - 幸せとは

♥

1,000

2022年06月27日

シェアするシェアする
報告する

ーそうか、ずっと邪魔だったんだな…ー

騒ぐ人々の声。迫り来る特急列車の音。

それを聞きながら、俺は永遠に眠る。





ある日から妻の体調が悪くなった。そこで、俺と妻の共通の知人の医者に診て貰った。

ー余命1ヶ月ー

その言葉を聞いたとき、頭が殴られたような感覚になり、倒れそうになった。

妻は、「覚悟は決めてた。だから、大丈夫だよ」と言っていた。そこで、Aから旅行へ行こうと提案を受けた。妻の思い出作りのため、俺も妻も賛成した。”いつか”、子どもができたときのため、2人で頑張って貯めてきた貯金。それを切り崩す。

その”いつか”はもう永遠に訪れないのだと、そう、身に感じた。


旅行の最後に写真を撮り終わったとき、妻の”死”が唐突に近づいてきた気がして、切なくなった。


俺の妻は心配性で電車に遅れたくないと、早めにきたお陰でホームの列の一番前で待つことができた。「なぁ、」 後ろからAの声がした。

「なぁ、人って邪魔なものがあった場合どうすると思う?」

意味が分からなかった。どけるか要らなかったら捨てるだろ。そんなキャラじゃないのに。

「どけるか、捨てるだろ。どうしたんだ?」

「じゃあ、”俺ら”の気持ちも分かってくれるよな」

どんっ


身体に激痛がはしる。石やレールがあるのを見て俺は落ちたんだと自覚する。やばい、落ちた。死ぬ。やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。

取り敢えずホームに上がろう。俺は立ち上がる。ホームにはAも妻もいなかった。騒ぐ人々の間から見えたのは、腕を組ながら歩く、Aと妻の姿だった。

俺は膝から崩れ落ちる。



ーそうか、ずっと邪魔だったんだな。俺がー

騒ぐ人々の声。迫り来る特急列車の音。


全てを理解したあとに視界が闇に染まる。

この作品はいかがでしたか?

1,000

コメント

2

ユーザー

凄 い で す  !! 応 援 さ せ て 頂 き ま す ! 🫣 💖 💭

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚