テラーノベル
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夜は深まり、静寂だけが部屋を満たしていた。隣に寝ているロシアの寝息がかすかに聞こえる。だが完全に眠ったわけではないだろう。俺も同じだ。瞼を閉じても、意識が冴えて眠れない。
……スープに混ぜた血。あれで彼の中の何かを揺さぶったのは間違いない。
俺自身もそうだ。与えるはずだったのに、あの視線を返されただけで、欲望が疼いた。
ロシア「……ドイツ」
不意に名を呼ばれた。眠っていないことに安堵するよりも、声の響きに心臓が跳ねる。
ドイツ「なんだ」
ロシア「落ち着かない」
ドイツ「……吐き気か?」
ロシア「違う。……欲しいんだ」
息を飲んだ。何を指すのか、分かっている。
ドイツ「……俺の、血か」
ロシアは躊躇いがちに頷いた。だがその目は、真剣だった。恐怖も嫌悪もなく、ただ欲望に正直な目。
胸の奥で何かが弾ける。理性は止めろと叫ぶが、別の衝動が「与えろ」と囁いていた。
俺はゆっくりと袖をまくり、手首を差し出した。
ドイツ「……少しだけだ」
ロシアの喉が鳴った。視線が俺の血管に吸い寄せられる。手が震えながらも、俺の腕を取った。
次の瞬間──鋭い痛みと共に、熱が流れ出す。
ドイツ「……っ」
微かな声が漏れる。だがそれ以上に、ロシアが吸い込む音が鮮烈に響いた。
舌が皮膚をなぞり、温かい感触が絡みつく。
目を伏せた顔は恍惚に染まり、まるで救いを見つけた子供のように必死だ。
ドイツ「……ロシア」
名を呼んだ俺の声は震えていた。痛みよりも、欲望に近い熱のせいで。
吸われるたびに心臓が早鐘を打ち、血と共に理性までも奪われていく。
やがて、ロシアが唇を離した。吐息が荒く、瞳が濡れている。
ロシア「……止められなかった。ごめん」
ドイツ「謝るな」
俺は即座に返した。自分でも驚くほど、強く。
ドイツ「お前が欲しいと言うなら、俺は拒まない」
ロシアは呆然と俺を見つめ、次第に笑みを浮かべた。どこか泣きそうな、それでいて安堵に満ちた笑み。
ロシア「……壊れてるな、俺たち」
ドイツ「そうだな」
ロシア「でも……これでいい」
互いの額を合わせ、目を閉じる。
血の匂いと温もりの中で、ようやく訪れた静けさは、もはやただの安らぎではなかった。
依存と渇望、その境界を越えた夜。
二人はもう、元には戻れない。
エンダァァァァァァァァァァァァァイヤァァァァァァァァ
コメント
3件
ロシアやソ連って受け顔してますよね(急) 絶対儚い系の綺麗な顔してますよね(個人的なイメージです) 可愛い(迫真)