テラーノベル
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ここはロウさんの仕事するための準備部屋
刀の手入れする道具などがしまってある
他は何もないこの部屋に俺が準備した物達を並べた
ロウさんが頭を振っている
眠くなってきたのかもしれない
でも俺だってロウさんに術を掛けておいた
これからは失敗は許されない
「始めます」
「いいよ、大丈夫」
ロウさんが俺のすぐ前に座る
俺とロウさんの間には先程見つけた置物がある
「北見‥‥一応言っておくが、多分今から対峙するのは神だった物だ。 これ持ってきた時お前、神棚も一緒に持って来たろ」
「あ、確かに‥‥お屋敷の井戸に置いてあったかも‥‥」
「きっとこれは宇賀神だ。穀物と水辺の神様」
「それがなんで‥‥」
俺は準備した札と護符にそれを置いた
「ちゃんと管理されてたか?」
「いえ、もうそこに置いてあっただけです。井戸も塞がってたし」
「井戸はちゃんと蓋から空気を入れておかないといけないんだ。井戸も神棚も粗末にされてちゃ化けて出るかもな」
「‥‥今話してるのってロウさんですか?」
「まだ俺だよ。でもそろそろヤバいかもな‥‥意識が‥‥‥‥」
タンッ!
ロウさんの両手が床に着いた
体が乗っ取られそうになったんだろう
俺は新たな護符を指に挟み、口元で術を唱えた
「‥‥んっ‥‥ぐっ‥‥」
「出てこいよ、神だったモノ」
『‥‥‥‥ソノ札ヲ剥ガセ‥‥』
「お前が出て行くんだ!そこはお前の居る場所じゃない」
『‥‥コイツヲ苦シメタイノカ‥‥』
「もう対処済みだよ。俺だって一端の術師なんだ」
『‥‥クッ‥‥コノ者ハ私ノモノダ‥‥』
「なんでロウさんに固執する」
『コノ者ハ私ヲ理解シテル‥‥杜撰ニ扱ワナカッタ‥‥』
「それは‥‥俺も含めて謝る。すまなかった」
『‥‥私ハコノ者ノ他ハ要ラナイ‥‥』
「でもロウさんを連れて行くのは話が違う。いくら神様でも俺が赦さない」
『私ハ神ダ‥‥粗末ニスルナド赦サレヌ‥‥』
置物に貼った札が震え始める
さすが神だっただけあるな
俺の手も震えてる
俺は札に手を置き、隣にある水を手に取る
そしてロウさんと札に向かい指で水を掛けた
『‥‥ングッ‥‥ヤメロ‥‥』
「これがキツイならお前は穢れてる。まぁ、分かってるよな」
『‥‥ァァ‥‥オノレ‥‥』
そう言うとロウさんの体がユラユラと立ち上がった
何をする気だ⁈
フラフラと歩くとロウさんの刀を手にした
しまった!
俺はここから離れられない!!
「ロウさん!聞こえますか⁈」
『‥‥コノ手デ殺シテヤル‥‥』
虚に開いた瞳
このままじゃ切られてしまう‥‥
俺は指に呪文を唱え、ロウさんの腹に指を充てた
ロウさんが刀を翳す
そして刀を振り下ろした
カツン‥‥
勢いよく振り下ろした割には小さな音
しかも俺は‥‥切られて無い!
ゆっくり目を開ける
俺の目の前には刀を下に刺したロウさんが居た
刀は俺の‥‥‥‥下にある置物の頭上に刺さっていた
いや、刺さってはいない?
宇賀神の置物の上にある護符越しに切先が頭に触れている
先程ヒビが入った箇所に当たっているようだ
「ろ‥‥ロウさん?」
「どうする?‥‥このまま貫いて昇天させるか、お前が自分で消えて行くか」
ロウさんがそう口にすると、背中から黒いモヤが出てきた
これが俺が見た蛇の化身なのか?
俺が見たものは黒く悍ましかったのに
目の前のそれは白く神々しい者だった
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コメント
2件
最後まで頑張って!まさか こや を苦しめてたのは神だったとは...いや神だった物とは...すっごい最高(語彙力どっかいった)