テラーノベル
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「この釜の方で獣人化の薬ができそうですね。言語薬はこちらの容器かな」
あちこちガサゴソしながらルードが準備してくれている。なんだか、理科の実験みたい。
本当にこれでアリスはもとに戻るのかな?
「リサ様も手伝ってもらっていいですか?」
「あ、はい。もちろん! なんでも言ってください」
私は、ルードの指示に従って、材料を入れたり、水を用意したりした。
「あのー」
「はい?」
「なんだか、すごい色になってきたんですけど。これ大丈夫なんでしょうか……」
釜の中が蛍光カラーになっている。これ、飲んでも大丈夫なのかな。
「だ、大丈夫だと思います。きちんと手順も材料も合っていますし、実際に飲んだ人もいるようですし……」
「そう……ですよね……」
これを飲むことになるアリスが、とても心配です。
「あとは、緑から黄色に変わるまで加熱するとそちらは完成です。言語薬ももう少しで出来上がりそうですね」
「良かった」
「にゃぁん」
猫アリスとお別れかぁ。ちょっと寂しい。ので、おもいっきりなでもふしておこう。私は猫アリスに妖しい手つきで手を伸ばす。
ここか! ここがいいのかぁ!
もふもふなでなで
目を細めて、ゴロゴロいいながら気持ち良さそうに猫アリスは頭や身体をスリスリしてくる。可愛いな。思ってはいけないけど名残惜しいなぁ。
ドォン
え?
ドォン
えぇ?
何かがぶつかるような大きな音が響き、地面も少し振動する。
「外に何か来てるね」
「何かって?」
「さっきのかな? でも、何だか大きい音だねぇ」
「大丈夫なの?」
「うーん、体当たりでもしてるのかな? 珍しいね、ここまで執着してくるなんて……」
「リサ様、この揺れでは、薬の調合が失敗するかもしれません」
え、それは困る。ドォンドォンと何度も何度もぶつかってくる何かで器具や道具が揺れて確かにそれどころじゃない。
「私が何とかします! ルードさんは、揺れがおさまったら調合の続きとアリスちゃんをよろしくお願いします!」
「リサ様!」
扉を開き、庭の音がする場所へと向かう。
「何あれ――」
目の前で、大きなべとべとスライムと大きな狼がここに体当たりをしていた。
私を視認したのか狼が、ギョロりと睨んできて、また体当たりを始める。
私を狙っている?
それなら、私が結界の外に出ればこの揺れは止まる?
「ウォータ! シルフィ!」
自分に水の膜をはり、風で駆ける用意をする。
少し、離れた場所に誘導して、二人がくるまで耐えればいいよね……。
もし、狙いが違ったら戻ってくればいいし。
私は意を決して、アーチへと向かった。
よーい、スタート!!
結界の外に飛び出すと、二体の大きな魔物は早速私の方へと向かってきた。
やっぱり、狙いは私?!
とりあえず、距離をとらないと!
家からそう遠くない場所に駆けていき、私は結界をはる。
「ライト!」
ドォン、ドォンと、今度はこちらで体当たりが始まった。
何これ、怖いいい。
ここから、どうしたらいいんだろ。急いでいて、私は木の精霊さんの名前を聞いてなかったことを思い出す。
何で、私、聞いてないのよ!! 私のばかぁぁぁぁぁぁぁ!
誰にも聞こえない、心の叫びがこだました。
瀬尾早水
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羽海汐遠
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#ギャップ萌え
コメント
1件
読了しました〜!今回は薬の調合シーンから一転して、まさかの魔物襲撃!めっちゃハラハラしました。特に、猫アリスをもふもふ名残惜しむリサの「思ってはいけないけど」みたいな心の声にじんわりしてしまった…。それなのに急にあのドォンドォン!しかもリサが自分を囮に飛び出す勇気、かっこよすぎます。結界の外に出た後の「私のばかぁ」の叫びに笑いと共感が止まらなかったです(笑)。続きが気になりすぎます…!