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⚠︎幼少期ロシアです。
一人称 僕
雪は絶えず降り積もり、屋根を軋ませていた。
薄暗い部屋の隅で、僕は膝を抱えて座っていた。
薪はもう燃え尽き、炉には黒い灰しか残っていない。
吐く息が白く煙っては、すぐに消えた。
 寒い。
けれど、それ以上に胸の奥が冷たかった。
 兄や姉は、それぞれのことで手一杯だった。
優しくしてくれることもあったはずなのに――
僕に向ける視線はいつも「強くなれ」だった。
 「泣くな」
 「弱いと置いていかれるぞ」
 「お前は大国になるんだ」
 まだ子どもなのに、そんな言葉ばかり。
抱きしめられたことなんて、一度もなかった。
 ⸻
 夜になると、声を殺して布団の中で泣いた。
でも、泣けば自分が“弱い”と証明してしまうようで、
最後には声すら出せなくなった。
 代わりに、ただ心の中で願った。
 「誰か、僕を見て」
 「誰か、僕を守って」
 それは叫びに近かったけれど、誰にも届かない。
愛して欲しいだけなのに。
 
 ***
 次第に、心は疲れていった。
泣き声を押し殺した夜ほど、 胸の奥で「寂しい」が膨れ上がる。
 それはやがて、
 「認められたい」
 「縋られたい」
 「愛されたい」
 という形をとって、俺の中に棘のように刺さった。
 ⸻
 幼い俺はまだ知らなかった。
この気持ちは、鎖のように繋がってくることを。
薬や酒で鈍らせても、すぐに俺を縛りつける。
そして――いつか「死にたい」と思うほどまでに
俺を追い詰めることになるなんて。
 最後に、幼い俺は凍えながら布団の中で思った。
 「もし、誰かが……ただ一人だけでも、 俺を抱きしめてくれるなら、 俺は壊れなくて済むのに」
 けれど、その「誰か」は幼少期まで一度も来てくれたことはなかった。
お久しぶりです!
なんか、意味がわからなくなってて病みますねぇ。
ではまた!