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レッドリボン軍のアジトに戻った17号は、ホッとして自室に向かっていた。
17号(ふぅ。何とか孫悟飯を、完全に巻くことができた。これで晴れて、俺にも平和な日々が……)
安堵するのも束の間、目線の少し先に、通路の壁に寄りかかる人影があった。
その存在に気付きながらも、見て見ぬフリをして、横切ろうとする17号。
???「おかえり、17号」
17号「なんだ、18号か」
18号「今日も随分と嬉しそうじゃない。その孫悟飯って奴、そんなに虐めがいあるの?」
17号「お前には関係ない。それにもう、俺自身、奴との縁は切った」
18号「まさか殺しちまったのかい!?」
17号「いや、殺す価値もないと判断したまでさ」
18号「なんだー。だったら私も混ぜてよ。そのプロレスごっこ」
17号「俺はもう飽きたんだ!」
18号「飽きたんなら譲ってよ!」
17号「奴は……俺の獲物だ」
18号「なんか矛盾してない? てか反乱分子として、ゲロに報告したんだろ? 放置したら不味いんじゃないのかい?」
17号「いつか気が向いたらな」
18号「あ、そういえばゲロの奴が呼んでたよ。もしかして、その件についてじゃないの?」
17号「何!? ゲロが!?」
18号「だってあんた、その男に会ってから、街を一つも破壊できてないじゃないか。私と同じ、最高級の永久エネルギー炉と、幹部の立場まで貰っといてね」
17号「うっ。それは……」
18号「ま、せいぜい言い訳でも考えておくんだね。じゃないとその任務、私が任されちゃうかもね」
★★★★★★★
17号「ドクターゲロ様、ただいま帰還しました」
ゲロ「ご託はいい。手短に近況報告してもらおうか」
17号「はっ! ただいま、西の都を制圧中でして……」
ゲロ「この前と変わらぬではないか! 18号が18個の街を制圧した中、何をそんなに手間取っている!?」
17号「申し訳ありません! 以前報告した反乱分子の、孫悟飯と交戦中で……」
ゲロ「私は全く理解のない上司ではない。弱者をいたぶる遊びも、無駄でないことは理解してやってるつもりだ。だが本当にそれだけか?」
17号「それだけ……というのは?」
ゲロ「そやつに、情が移ったのではあるまいな? と聞いているのだ!」
17号「まさかっ! 滅相もありません!」
ゲロ「ふん。幹部の立場へ付ける者には、ある程度の感情を残さないと、自発的な行動を起こせないと踏んだが、私の設計ミスだったか」
17号「本当に違うのです! 奴のことを庇うなど、言語道断です!」
ゲロ「そうか。ならば明日は、私が行こう!」
17号「そ、そんな。ドクターゲロ様が直々に出向くなど……」
ゲロ「ええい、うるさい! いくら何でも、西の都一つに時間をかけすぎだ! 降格されないだけありがたいと思え!」
17号(まずい事になったぞ……。孫悟飯の扱い方を知らない、しかも俺より弱いゲロが接触などしたら……)
17号は妄想した。
ゲロ「その道着、貴様が孫悟飯だな」
孫悟飯「あなたは? あっ、あなた、胸に蚊が止まってますよ」
ゲロ「へっ?」
ズボッ!
孫悟飯「う、うわぁ! 胸に穴がー! 大丈夫ですかー!? なんで、こんなことに……。弱い僕が、たかがスーパーサイヤ人の状態で小突いただけで……」
17号には、結末が予想できてしまった。
17号(うん。嫌な予感しかしない。まずい、このままではゲロが孫悟飯に殺されてしまう)
17号(ゲロが死んだ場合、俺たちの自爆スイッチも、同時に起動することになっているから、何としてでも食い止めなければ……!)
18号「ドクターゲロ様。その任務、よろしければ私にやらせて頂けません?」
17号(18号? ナイス口出しーーー!)