隙間風がろうそくの火を揺らす。
西に行けば牧草地帯、東に行けば森が広がるこの国境付近は、その自然の豊かさから多くの貴族の別荘が建っている。
王家はここを避暑に使い、ルーク・ドゥ・クルーゼルは、5日前からこの地にある離宮に滞在していた。
このあたりは王都より気温が低く、加えて今日は昼間から風が強かった。
ルークは暖炉に火を入れ、長椅子に腰掛けながら数日の間のことを振り返る。
死んだふりをし、メタの手先によって宮殿の外に運び出された後、布にくるまれ街のはずれに埋められそうになった。
そこをマクシスの手の者に助けてもらい、そのまま極秘に離宮まで逃がしてもらったのだが―――。
(もう二度と経験したくない体験だったな)
強引に突破口を開こうとしているのだから、危険があるのは百も承知だが、********************
*******************
**********
*****
********************
************
***********************
***************
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!