朝になったのか、小鳥の鳴き声が窓の外から聞こえてきて目が覚めた。
壁掛け時計の針は朝の6時を指していて、いつもの起床時間よりも早かったけどベッドを出た。
廊下を歩いていると、辰哉兄さんの姿を見つけたので話しかけた。
🖤「兄さん、おはよう」
俺が軽く挨拶をすると、兄さんは心底不快そうに腕を組んだ。
💜「誰だよ、てめえ」
🖤「え…?」
兄さんは昨日と変わり果てたような荒んだ目をしていて、狼狽える俺を睨んだ。
🖤「俺、蓮だけど、覚えてないの…?」
💜「は?知らねぇよ」
💚「あっ!!兄さんっ!」
向こうから、慌ただしく兄さん達が走ってきた。
💛「紫音、こっち来て」
🎵「照!どうした?」
💚「ごめんね、蓮!今説明するね」
🖤「亮平兄さん、辰哉兄さんは…」
💚「兄さんは、解離性同一性障害という病気を患っているんだ。別名を、多重人格という精神の病」
俺は漢字が並んでいる単語はよくわからないけど、事の重大さは兄さん達の表情から読み取れた。
🖤「兄さんが…!?」
❤️「そう。おそらく幼少期に受けた虐待が原因なんだ」
涼太兄さんが暗い表情で俯いて言った。
💚「その別の人格が今日現れたみたいなんだ。兄さんの第二の人格は、記憶や性格も全く別物だから、蓮のことはわからない」
🖤「じゃあ、俺どうすれば…」
🩷「俺らが何とかするよ!紫音(しおん)は悪いやつじゃないからな」
🖤「紫音さん、っていうんだ」
🧡「せやで!兄弟には優しいから、きっと蓮にも優しくしてくれると思うねん」
康二が場を和ませようと、俺の肩をぽんぽんと叩いた。
それから、ちょっと気まずそうにラウールが口を開いた。
🤍「急に話が変わるんだけど…」
💙「実は俺たち、今日バーベキューしようと思ってな」
❤️「これから準備するから、みんな手伝ってくれないかな」
突然の3人のお誘いの告白に、みんな驚きを隠せないけれど、顔は嬉しそう。
🩷「え!まじで!!?」
💛「どうりで翔太起きるの早いと思った」
💙「へっへっへ」
💚「紫音が蓮のことを知るいい機会になるかもしれないね」
🧡「せやな!楽しみやな~!!」
❤️「アイスもあるよ」
💛「ほんと!?やったぁ!」
🎵「何、俺の話?」
辰哉兄さんよりも大人びたような、厳つい雰囲気の紫音がいつの間にか俺の後ろに立っていた。顔は笑っているけど、目はまだ俺の事を警戒してる感じがする。
🧡「お!ちょうどええ所に!紫音もはよ行こーや!」
やや強引に兄弟たちが紫音の背中を押しながら、バーベキューセットのある庭へと引っ張っていった。
次回に続きます!
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続きが楽しみ!