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赤き世界のウツロサマ

第8話 - 第8話ウルタールナノでしす

2022年09月11日

#創作

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しかし悪魔は彼の体を乗っ取ることに成功しませんでした。というのも、彼が猫の守護者であったことや、悪魔の弱みを握っていたことなどがその理由だと考えられています。

さて、こうして悪魔は彼の中から追い出されたのでしたが、今度は別の問題が発生しました。というのは、悪魔を追い出す際に魔術師の命を奪ってしまったことです。悪魔は自分の力を誇示するために、あえて自分の仕業だということを隠したままにしたとされています。結局この事件は人々の不安を呼び起こすことになりました。そしてついに人々は恐れていたことを実行に移してしまったのです――

まず最初に起こったことは地震でした。大地が激しく揺れ動いたことで街の一部が崩落してしまい、多くの人々の命が失われることになってしまいました。また建物が崩れたことによって火災が発生し、火災旋風まで発生しました。

次に恐ろしい出来事が起こりました。なんと街にいた人々が次々と姿を消し始めたのです。それだけではありません、行方不明になった人の中には動物の死骸や骨が大量に発見されていたといいます。つまり街のどこかに動物たちの死霊が集まってきて、ゾンビになってしまったということでしょうか。さらにゾンビだけでなく、ミイラ化した死体までもがあちこちで発見されたという話もあるようです。こうして街の人々は恐怖に震え上がりました。

しかし事態はさらに悪化していきます。今度は空から謎の怪物たちが降りてきて人々に襲いかかってきたのです。彼らは全身毛むくじゃらであり、大きな牙を持つ醜悪な姿をしていて、まるで巨大な猿のような印象を受けました。彼らの正体は不明とされていますが、一部では「獣人」や「魔獣」、「悪魔の使い」などの呼び名もあるようです。

結局、ウルタールの街の人々は全滅してしまいました。その後、生き残ったわずかな人々がウルタールを離れていったことで街は完全に廃れてしまったとのことです。それからというもの、ウルタールの町では今でも不気味な鳴き声が聞こえることがあるとか……。