※この作品には(多分)全体的に不快と思わせる部分や、ショッキングな表現がされています。検索してはいけない言葉オールスターと合コンしてる様な感覚になるので合コンが苦手な方は逃げて下さい。───────
そして現在、
私の一生分の友人、悪友、断ち切れない関係、
重い鎖で一方的に繋がれたトチ狂った片輪の様な関係、
略して「友人」繝槭Μ
幾度となく、彼女の闇を視て、ひとつ創った、唯一の私。
私達はあれから六年、ずっと、そんな関係だ。
外観は特に違和感はない。
慣れて、気を使う事も無くなったからだろうが。
彼女は、私がお茶を飲んでいるのをじっと見ている。
いつもは細い瞳をまんまるに見開いては、
口角を吊り上げている。
これは何かを図っている様な顔だ、嫌な予感がする。
そう思った直後、彼女は口を開いた。
「蟷サ譛。話してやろうか、“あの”後の事。」
そんな事を言われた。だろうな。解っていた。
とはいえ、やはり途端に今までの記憶が
鮮明にフラッシュバックしてきて吐きそうになった。
だがお茶を吹き出す程度で留まった。
「ふっ、はは、くだんないね。大した事ないさ。
今までにも何度とだって話したろ。
私の叔父の養子なんだ、お前には何千、何万回だって 聞く権利があるよ。」
そうだ。私は既に、幾度と聞いた。
私が「##」を殺した後の話しは。
もういい、聞きたくない。
…嫌だな。
「うっ…げほっ、今お茶飲み込もうとしたのにー… 急にヤな事言わないでよぉ…」
「あはは、嫌な記憶にしたのは半分お前だ。」
「もう半分は?」
「私だ」
「…あんたのお父様は?」
「無い事とする」
これも一種の現実逃避だろう。
でないとこの子は生きていけない。
逃避行をして、不明な矛盾点を抱えて、新しく理解し、
無い筈の責任を負っている。
それなら「そう」成るのも成る。
目前の少女の体、ぽつぽつと、新しい傷。
青いナイフで切った跡。
判り易い生傷、自分で切っている。
開放された後も、痛みに囚われてしまった証拠。
本人曰く、「落ち着かなくなった」との事だ。
人工マゾヒストだろうか。
今日も見える。
紅く、弱々しい跡。
薄い様に見えて、私にとっての一番の「錘」、責任。
…「繝槭Μ」、あんたはひとつも悪くなんてないんだ。
たまたま、髴ァ髮ィの家に生まれ、
私という凶運に出遭っただけ。
それを、幾度と確認させる跡。
私はそれを見ながら言った。
「六年と経つと、飽きてきたよ、繝槭Μ。」
「ん?」
「ソレ。」
「…は!くだんない。
勝手にさせろ。私なりの暗示、幸せの証だ。
未だ不幸になる事を望むか?」
違う
見たくないんだ。
…判ってる。
これは私の所為だ。
見ないといけない。
でも
もう、いいだろう。
………最低な私を…▓してくれ…。
「もういい。そろそろ隠しなさい。」
「えぇ…やだよぉ、痒くなるんだもん」
「…自分でやったんじゃない。」
「だったらお前がなんとかしろよ、責任持って。」
「ぐ…ぅ…」
因みに互いに弱みを握っているので、
私達の口論は大体が不毛で、くだらなくなる。
いわばグダグダだ。
あぁ、その為、その為の、だ。“アレ”は。
私は近くの刃物を持った。
「ふ、ふふふ…やっぱりこういう意味でも
喧嘩って…いいものだわ。
ぶっちゃけ本命はこう言う時の為な気がしたわ…。」
「お?やるか?
いいぜ、半端殺し屋」
「お黙り、地雷シンデレラ」
そう言って私達はお茶を置いて立ち上がった。
…そうだ。結局のところ、これに繋がる。
規模がそれぞれ違うだけ、なんだろう。
楽しい事をして、いちも早く、忘れてしまいたいのだ。
…唯一、忘れてはいけない色でもある、
一番不快で矛盾的な色。
──あの時の「紅」を。
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