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鴨之助
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わ
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NGS_ヘビーなしっぽ
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第32話
私は、窓の外にいる刺客を、縛り上げて騎士さんに渡した。日替わり騎士だから、顔を覚えられない。
というか、ミヒャエルさんが強くなった。
……それで、ランキングで言うと……私は、丁度千位くらいの実力。
黒猫は、千二百位。
ミヒャエルさんと、マリアは大体、三千百位。
「……じゃなくて、休め!」
黒猫が駄目だと言うように、部屋の外に出してくれない。
むぅ……
確かに、少し体が軋むように痛いけど……
「はぁ〜……お前は、休まなさすぎだ。そのままだとまた、風邪をひくぞ」
「なっ! そんな事……」
「ある」
言いきられた。
むぅ……
「分かった。少し、休むから……ん? ミヒャエルさん……?」
隣の部屋で倒れているミヒャエルさんの魔力があった。
「っ……すぐ戻ってくるから、部屋で大人しくしてろ」
「はーい……」
私は、少し納得がいかない返事を返しながら、重い瞼を閉じた。
✵
俺は、ミヒャエルの部屋の扉を二回、ノックした。
「大丈夫か?」
もう一回、同じようにノックをした。
「開けるぞ」
俺はそう言って扉を開けた。
明かりは付けっぱなしで、布団も乱れたまま。
その乱れた布団がある、ベットの側で倒れている。でも、顔色が悪いって事はない。
「……寝ているだけか」
俺は、そう呟いてミヒャエルをベットの上に乗せた。
光魔法と、治癒魔法と、回復魔法をかけてから部屋を出ようとしたら……何かの気配がした。
……人間か? いや、人間だ。
俺はそう確信してから、振り向いた。
でも、遅かった。後ろに回られている。
このまま、蹴られる。
「っ……」
俺は、ガードした。
でも、かなりのアザになってるだろう。
「ぐっ……!」
「あら、流石の『笛吹の少女』の使い魔でも幻影には、惑わされるのね」
幻影かよっ!
俺が一番苦手なのは、幻影使いだ。勘が働かなくなるようにもされてしまう。
……俺は、怯みながらも床を踏み直して剣を構えた。
「何者だ?」
「『影の主』と、呼ばれる賢者よ」
「賢者なら、大丈夫そうだな」
俺は、口角を上げながら本音を呟いて、剣を振るった。
……そう言えば世間一般常識で言うと、賢者って強いんだっけな……
ハンナの近くにいると、バグるんだよな……
「何っ!」
以外にも、影の主? ってやつは、力が弱かった。
光魔法を上手く使えば、幻影使いも俺の中でのトップクラスでなければ、敵ではない。
「……んっ……ん? 黒猫……?」
ミヒャエルが目を覚ました。
「幻影使いだ! ミヒャエルは手を出すなっ!」
「は、はぁ……?」
俺は、早めに決着を付けようとした。
少し、難しい魔法陣を描いて、物理的に拘束した。
「おい。お前は、誰に雇われた?」
「言えわけないでしょっ!」
「このまま、苦しめ続けられてもいいなら、言わなくていい。苦しめ続けられてもいいのなら、黙っておいたら? 自分から死んでも、治すが……どうする?」
幻影使いは、黙った。
魔法陣を書いている。
俺は、魔力を魔法陣に流して、壊した。
「なっ!」
「聖騎士を二十四時間体制でつけてもらうしかねぇな……はぁ〜……」
俺は、ミヒャエルにすまないと軽く頭を下げてから、魔法学校の騎士に渡した。
このくらいのヤツに、俺の魔法をかけておいたら、しばらくは安全だろう。
「黒猫っ! さっきは、何が起こったんだ……?」
ミヒャエルが、ハンナの部屋のドアノブに手をかけている俺に向かって言った。
「何って……刺客だ。それと、ちゃんと布団の上で寝ろ。あれ、最初から床で寝てただろ」
『図星』と顔に書かれたまま髪を掻きむしった。
……疲れてんな。ありゃ。
「かなりのヤツに目をつけられている。ミヒャエルも勝てるはずだが……気を抜くなよ」
「……そんな事、分かってる」
俺はその声を聞いてから、扉を開けて入った。
……はぐらかしただけなんだけどな。それも、バレバレだったけど。
ミヒャエルも、平気な顔してたけど、動揺してたし、体も万全ではないだろう。
はぁ〜……心はまだしも、体は、無理させなよ……いや、心も駄目か。
俺は、ため息交じりにハンナの頬をなぞった。普通に寝ているし、体調も良さそうだ。
……疲れている魔力の動きだけどな。
「使い魔って……本当にこんな使われ方なのか……?」
少し口角を上げながら冗談交じりで、ぼやくと……何だか、ルイスの姿が瞼の裏に見えた。
そういや、ルイスが紹介したんだっけな。
突然『お前より強い、使い魔になれる子を見つけた』って、懐かしい。
「黒猫? どうしたの?」
いきなりハンナの声が聞こえたから、振り返った。
でも、ハンナの静かな寝息しか聞こえない。何が起こったのか、分からない。
「えっ?」
俺は、大きなため息を吐いて、ソファーにもたれた
コメント
1件
うわっ、第32話めっちゃ面白かったです!特に黒猫が「使い魔って本当にこんな使われ方なのか…?」ってぼやくシーン、笑っちゃいました。でも幻影使いとの戦闘、光魔法で対応するあたりが本当に上手くて、黒猫の実力がじわじわ見えてくるのが良いですね。ミヒャエルとハンナ、それぞれ無理しすぎなのもまた可愛いし、仲間の関係がしっかり描かれていて好きです。こはるさんの世界観、毎回緻密で読むのが楽しい!