テラーノベル
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「いい。お願いします」
「連絡する」
頷きながら、少し体が軽くなるのを感じる。
おばあさんにお金を渡した時も同じ。
手放すことで楽になる感覚。
フゥー
思わず息を吐くと
「査定、任せるので。言い値でいいから急いで欲しい」
と……言ってから、しまった、と思った。
せっかく引き受けてくれた早川さんの怪訝そうな顔を見て、私は慌てて付け加える。
「ああぁぁ…っ、ハヤカワ総合住宅グループって大手だし?早川希輔副社長直々に査定に行ってくれるってことだし?何も心配ないなぁ…ってことです…ハイ」
――急いで欲しいのは事実。売ったお金をどこかに寄付するまでがお役目だもの
「このあとの予定は?」
そう言って腕時計を見た彼に
「戻ります」
と答えながら、私はリュックを手にした。
「ホテル?」
「はい」
「送る」
「へっ…?」
「俺も出る。ついでだ」
「大丈夫です。どちらも駅の近くだし」
私がそう言う間に立ち上がった彼は
「一ノ瀬様、本日はご足労いただきありがとうございました。お帰りは、お送りいたします。」
とスーツのボタンをとめて一礼した。
これが普通に仕事をする姿か……
コメント
2件
一先ず、引き受けてくださりありがとうございます。早川副社長(_ _) かなり急いでいるのはおわかりいただけましたよね?菊ちゃんの言動で。 そして骨肉の争いか?と薄々気付いておいででは? このような物件かなり遭遇しているのではと推測します。 その辺りも考慮して現地視察、査定をよろしくお願い致します。 菊ちゃんは売却の準備を整えよう。 ホテルまで送っていただくのは賢明だよ。 すでに追手が迫ってきてるかもしれないから…焦りすぎて周りを見ることを忘れないようにね🥺

家がどんな状態か、恐ろしいけど気になります。菊ちゃん監禁されて遺言書かされたりしないよね💦キスケさん、菊ちゃんを一人にしないように頼む💦