テラーノベル
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ぴかわど
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「サーナイト!ムーンフォース!」
「ペンドラー!ダストシュートや!」
あれから、何度花を倒したのか、何度メガシンカしたのかわからない。
「はぁ…はぁ…きりが無い…!」
倒しても倒しても、花は無限に出てくる。
しかも、一体一体が強くなっているから、余計に時間がかかる。
さすがに、ポケモンたちにも疲れの色が見えてきた。
「ぜんぜん本体に近づけませんね…」
ピュールが疲れた声で言った。
「ホンマ、どんだけ出てくんねん…」
「そろそろ…限界かも…」
ふらりと、倒れこみそうになって…
そんな私を、誰かが支えてくれたような気がした。
「え…?」
「…間に合いましたね」
「ゼドッ!」
私を支えてくれたのは、フードをかぶった男の人。
でも、この服は、見たことがあるような…
そして、ジガルデと行動しているってことは…
「…!あんたは…!」
カラスバさんが声を漏らす。
男の人は、ゆっくりとフードを取った。
その人の顔を見て、驚く。
「F…いや、フラダリさん…!?」
そう。この人は、フラダリさんだった。
「どうして…ここに…?」
「あなたがたを、助けるためにやってきました」
「助ける…?あ!」
フラダリさんの隣にいたジガルデを見て、気づく。
「そうです。ジガルデとともに、戦うのです。
ですが、あなただけではありません」
「え…?じゃあ、誰が…」
「カラスバ。君です」
「は?オレ?」
カラスバさんが、驚いて言った。
「ミラさんと、カラスバ。二人の力を合わせることで、
ジガルデはさらなる力を発揮できるのです」
「…」
その時、アンジュが叫び、みんな我に返る。
「時間がありません。セルは集まっています。
ジガルデ、100%フォルムに…!」
フラダリさんがセルをばらまくと、
ばらまいたセルがジガルデに集まっていく。
全てのセルが集まり、ジガルデは光に包まれる。
そして、光が収まり、現れたのは…
ジガルデ100%フォルム!
ジガルデは、私とカラスバさんの前に歩み寄り、
行くぞ、と言うようにうなずいた。
「カラスバさん…」
「ああ…やるで!!」
「ジガルデ、もう、あれは撃てる?」
私の問いに、ジガルデはうなずく。
「よし、じゃあ、あれ…コアパニッシャー撃つで!」
二人で技名を叫ぼうとした…その時。
アンジュが突然、まぶしいほどの光を放った。
「…!?」
アンジュは上を向き、頂上の花を開く。
すると、花の先に光が集まり始めた。
どんどん集まり、いつまでたっても集まりきらない。
「え、ちょっと…これって…はめつのひかり…?」
「だとしたらやばいで……もしかしたら…あのときよりも…」
「…まずいですね…これは想定外です…」
「フラダリさん…?」
「本来、こうなるはずではなかったのに…このままでは…
いや、もう、どうしようもないのかも、しれません…」
フラダリさんの口から出た絶望的な言葉に、みんなの顔が青ざめる。
そして…アンジュが、力をため終えた。
花の先から、はめつのひかりが放たれる。
はめつのひかりは空に打ち上がり、ミアレに降り注ぐ。
それは、ゲームの時よりもまぶしく、圧倒的な力を感じた。
私たちは、もうなすすべもなく、ただ破滅を待つしかなかった。
と、その時。
私とカラスバさんのキーストーンが、光を放ちはじめた。
「え…?」
そして、カラスバさんのポケットからも、光が漏れている。
「…何や…?」
カラスバさんは、ポケットに入っていたものを取り出す。
「これは…確か…」
そう。入っていたのは、あのとき、
ジガルデからもらった、いしころだった。
「…! カラスバさん!それを握ってください!」
「え?おう…」
カラスバさんは、いしころを握りしめる。
すると、いしころから強い光が放たれた。
「うおっ!?」
光が収まり、カラスバさんの手の中にあったのは…
ジガルデナイトだった!
しかし、ジガルデナイトは青や紫の光を帯びている。
「ジガルデナイト…じゃない…?」
すると、ジガルデが、私たちの目の前にやってきた。
「わっ!?どうしたの、ジガルデ…」
その時、私たちは、全てを理解した。
カラスバさんが今持っているこれが何なのか。
今、キーストーンがなぜ光っているのか。
そして、あのとき、キーストーンの色が変わった意味。
おそらく、ジガルデが私たちに教えてくれたのだろう。
どうすればいいのかわかった今、やることは一つ。
カラスバさんは、ジガルデナイトをジガルデに渡した。
「ジガルデ…行くで」
ジガルデはうなずき、アンジュを見すえる。
そして、私たちは叫んだ。
「「ジガルデ、メガシンカ!!」」
私たちのキーストーンから、紫の光が放たれる。
ジガルデが光に包まれた。
そして、光が収まり…
そこにいたのは、ただのメガジガルデではなかった。
二人分のエネルギーと、絆の力を取り込み、
よりパワーアップした、アルティメットジガルデだ!
アルティメットジガルデは、今にも落ちてきそうな
はめつのひかりに向かって、飛び立っていった。
ジガルデは、はめつのひかりとアンジュをしっかりと見つめる。
そして、両肩にそなえられた大きな砲台を構えた。
構えたことをしっかり確認して、私たちは叫んだ。
「「奇跡の光!!!!」」
私たちの叫びに応じて、ジガルデの砲台が輝く。
そして、砲台から青と紫のレーザーが放たれる!
二つのレーザーは絡み合い、奇跡の光となって、
はめつのひかりへと向かっていく。
光と光がぶつかり合い、そして……
はめつのひかりは、無数の流星へと変わった。
私たちは、無数の流星を眺めていた。
「終わった…終わったんですね、カラスバさん…」
「ああ…」
「ミラさん、カラスバ」
誰かに呼ばれ、振り向く。
「あ、フラダリさん…と、みんな…」
「あなたがたのおかげで、この最悪の事態を
収めることができました。本当に、ありがとうございました」
「ミラ!ほんとすごかったよ!」
「デウロ!」
「あのままだったら、どうなっていたことか…本当にありがとうございました!」
「ピュール!みんな…ありがとう!」
「…オレは…?」
みんなの影で、取り残されてしまったカラスバさんがつぶやく。
「あ!ガイさんは…!?」
マスカットさんが叫ぶ。
「なんだよ、さっきからここにいるだろ…」
後ろから聞こえた声に、みんなが叫んだ。
「ガイ!!!!」
後ろには、ちょっとぼろぼろになってしまったガイと、
疲れた様子ではあるが、笑顔でいるフラエッテがいた。
「う”わ”ぁ”ぁ”ぁ”ん!!無事だったんだね、ガイ!
そしてフラエッデぇ”ぇ”ぇ”!!!」
「ちょっ、デウロ泣き過ぎですよ!」
「だって…だっでえ…」
そんなデウロを見て、みんな一斉に吹き出す。
「ち”ょ”っど!なんでみんな笑うの〜!?」
笑うみんなに、デウロが泣きながら言った。
「皆さん。感動の再会のところ悪いのですが、
お別れの時が来てしまったようです」
「え…?」
みんなが、フラダリさんの方を向く。
フラダリさんが示した先に、光のゲートのようなものがあった。
「あれは…」
「…ミラさん。帰るときが来ました」
「えっ…」
「どういうこと?ミラが、帰るって…?」
泣き止んだデウロが、聞いてきた。
「デウロ…」
私は、みんなに向き直った。
「みんな、聞いてほしい。私は…この世界の人間じゃないんだ」
(話の切り出し方がよくあるパターンになっとるで、ミラ…)
話しだした私に対して、カラスバさんが心のなかで突っ込む。
「この世界の人間じゃない、って…?」
「一ヶ月くらい前のことなんだけど、目が覚めたら、この世界にいたんだよ」
「何だそれ…どういうことだ?」
ガイのつぶやきに、私は言った。
「私も、はじめはよく分からなかった。
でも、さっき、わかったんだ。私は、ジガルデに呼ばれたんだって。
だよね、ジガルデ」
私の呼びかけに、犬の姿に戻ったジガルデがうなずく。
「…そうだったのだな」
後ろから聞こえてきた声に、みんなが驚く。
「AZさん!?」
「ジガルデは、秩序を司るポケモン。歪みゆく世界を正すために、
ミラを呼び寄せた、と」
AZさんは、私を見て、言った。
「ミラ、私達のことは心配いらない。帰るのだ。あるべき場所に」
「そうですね。AZさんの言うとおりです。
あとは僕たちがなんとかしますから」
ピュールが私に言った。
「短い間だったけど、すごく楽しかったよ!戻っても元気でね…!」
デウロも続けて言った。
「また会うときがあれば、おまえの世界のことを聞かせてくれよ!
また会うときがあれば…だけど」
ガイも、少し寂しそうに言った。
すると、カラスバさんが私の前に出てきた。
「カラスバさん…」
カラスバさんの顔を見ると、なんだか、胸がいっぱいになってきた。
「嫌だ…カラスバさんと、離れたくないです…まだ帰りたくない…!」
抑えていた涙が、溢れ出す。
涙が、止まらない。
その時、そんな私の頭を、カラスバさんが撫でてくれた。
「…!」
「オレも、ミラと離れたくはない。そやけど、帰らなあかんねやろ?
なら帰るんや。…家族が、待ってるんやろ?」
…家族。
そうだ、私には、帰りを待っててくれる家族がいる。
今このときも、私を心配しているかもしれない。
「…そうですね。カラスバさんと離れるのは、
すごく、寂しいですけど、…帰らなきゃ。私の家に…」
カラスバさんが、私の手に何かを握らせてきた。
「これは…カラスバさんのバッジじゃないですか。
キーストーンごと…どうして?」
「…元の世界に帰っても、これ見て、オレのこと思い出してな。
キーストーンは、また何とかなるから」
「…ありがとうございます…!」
嬉しくて、きゅっと、バッジを握りしめる。
「ミラさん。もうすぐ、扉が閉じる。さあ…」
フラダリさんが、呼びかけてくる。
「わかりました…」
扉の前に立ち、入る前に、みんなの方を向く。
「じゃあ…さよなら…!」
「元気でな!」
「僕達のこと、忘れないでくださいね!」
「教えてあげたダンス、踊ってねー!」
MZ団のみんなは、たくさん言葉をかけてくれたが、
カラスバさんは黙ったままだった。
そして、扉の方へ歩みを進める。
扉に、吸い込まれた。
だんだんと、光が強まる。
「…カラスバさん…!」
カラスバさんを見失いたくなくて、振り向く。
「…きっと、また会える。そやから…」
カラスバさんは、まだなにか言っていた気がしたけれど、
私の意識は、そこで途切れてしまった。
作者のつぶやき
ネーミングセンスが死んでますね☆
次回、本編最終回!!
コメント
1件
わあ…遂にここまで来たんですね。フラダリさんの登場からアルティメットジガルデへのメガシンカ、そして「奇跡の光」でアンジュの破滅の光を流星に変えるシーン、本当に圧巻でした。ミラとカラスバさんの絆が形になった瞬間だと思います。 そして別れの場面…カラスバさんが自分のバッジごとキーストーンをミラに託すところ、胸が締め付けられました。「きっとまた会える」という言葉が切なくて、涙が止まりませんでした。次回が最終回なんですね…寂しいけど、最後までしっかり見届けたいと思います。ぴかわどさん、本当に素敵な物語をありがとうございます🌷