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#ヒューマンドラマ
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私だけの1人の彼氏 第3話:さらば友よ、そして永遠に1. 親友の死
「おい健! お前の彼女、お前を道具としか思ってないぞ!」
光の必死の訴えを、健は信じられずにいた。光は自分のミスで健を不幸にしたことを泣いて謝り、健を必死に追いかけようとする。 その時だった。 契約破綻の電話に気を取られた運転手の車が、信号を渡ろうとした光を無残に撥ね飛ばした。
「光……! 光ーーーッ!!」
健は血を流す親友を抱きしめた。
「健……ごめんな……お前が、気づいてくれればよかったんだ……」 「光、お前は不幸の塊なんかじゃない……俺たちは、ずっと幼馴染だ……!」
「もし俺が女だったら、お前を幸せにしてやったのに……健、愛してる……」
光の命の炎が、健の腕の中で静かに消えた。
翌日、何も知らずに現れた翔子に、健は冷たく言い放った。
「俺に触るな。全部知ってるぞ、このクソ女!」 「は? バレちゃった? 最悪……」
逆ギレする翔子だったが、健に拒絶されると豹変した。
「実はツンデレだったの」と身勝手な言い訳をし、抵抗する健をスタンガンで気絶させ、自宅に監禁した。 しかし、罪悪感に耐えきれなくなったのか、翔子は最終的に健を解放する。 「私は最低な女だ……」 翔子も、そして同じく健を傷つけた莉子も、自分たちのしたことの重さに気づき、後悔の念に囚われていくことになる。
光の葬儀。そこには、光の弟である「黒咲広」の姿もあった。
「広くん……お兄さんにはお世話になった。立派に育つんだぞ」
兄を失った広を励ます健。そんな彼の前に、光の姉であり、美しさと強さを兼ね備えた黒咲美羽が現れた。
カフェに場所を移すと、美羽は健の長袖の下に隠された、翔子による「スタンガンのアザ」を見抜いた。
「……あいつ、恋人に暴力を振るうとは。健くん、私と付き合わないか?」 「え……?」 「小さい頃から、ずっと君が好きだった。君が変な女に捕まるたび、守りたいと思っていた」 これまでの彼女たちとは違う、芯の通った美羽の愛に、健の心は不思議と安らいでいった。
帰宅した健は、姉の愛良に抱きつき、我慢していた光への悲しみを爆発させた。
「お姉ちゃん……光が、光がいなくなっちゃった!」 愛良は優しく健を包み込む。しかし、健が「新しい彼女(美羽)」ができたことを告げると、その瞳の奥に冷たい火が灯った。
「その彼女さん、家に連れてきなさい。挨拶がしたいわ」
愛良の言葉は、逃げ場のない命令だった。
翌日。放課後の校舎で、美羽は健に突然のキスをした。
「これが、本当の愛よ。健くん、君を傷つける過去は永遠に消えない。でも、私が君を上書きしてあげる」
美羽は、愛良が自分を殺したいほど憎んでいることを知っていた。それでも、彼女は決意する。
「……いいだろう。挨拶に行こう。決着をつける時が来たようね」
愛する健を巡る、実の姉・愛良と、親友の姉・美羽。 歪んだ愛と純粋な愛が、竹内家で激突しようとしていた。
(つづく)
今回の注目ポイント
* 光の最期: 悲劇的な事故でありながら、最後には「愛してる」と伝えられた光の想いを強調しました。
* 美羽のカリスマ性: 翔子の暴力を一目で見抜き、力強い言葉で健を導く「騎士(ナイト)」のような魅力を出しました。
* 愛良vs美羽: 最終話に向けて、ヤンデレお姉さんと新ヒロインの対立構造を明確にしました。