テラーノベル
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あれから、どれだけの時間が経ったんだろうか。時間を表す単位のない空間ではわからないが、永遠とも言える程の時が過ぎたような気がする。
俺………水素は、皆を探していた。
少しすれば独り言をするのを忘れ、細かく探すのを忘れる。
こんな暗い場所に独りなんだ、脳が狂うのも時間の問題だろう。
…あれ?
ここ、なにか…
見た事、あるような……
水素「あ…」
水素「鉄!?」
…目の前に居たのは。
鉄と、
…なんか知らんやつら。
鉄「あれ。銅くん、あれだぁれ?」
銅「知らん」
待て鉄の兄だぞ?
あれ、おかしいな…?
というかなんで生きて…?
いやその前にその…銅?とやらは誰だ…?
ヘリウム「…鉄が爆発した衝撃で鉄より重い元素ができたらしいね」
水素「ヘリウムも!?」
後ろからなにやら声がすると思ったら、今度はヘリウムがいた。
そしてその後ろには…例のちびっこたち。
酸素「わぁっ!!水素お兄ちゃんだぁ!!」
ナトリウム「ほんとだ~、久しぶり!!」
水素「え…と」
水素「まぁ…よかった、のか…?」
あれから、きゃっきゃと遊び回るみんなを尻目に、ヘリウムに話を聞いた。
どうやら鉄は『転生』をしたらしい。
俺たち元素は、死んでも生き返る。
身体が塵と化しても、別の肉体になって生き返る。
容姿も声も性格も名前も元通り。
…ただ。
転生をすると、その前の記憶は全て無くなる。
…鉄はあの爆発で死んだが、他のちびっこたちは無事だったらしい。
喜ぶべきなのか悲しむべきなのか…
ヘリウム「…まぁ仕方ないでしょ。死ぬ、ってきっとそういうことなんだからさ」
水素「だな。…死ぬ瞬間を忘れないと生きてけないもんな」
きっと死ぬということは、それで終わりということだ。
それをひっくり返して生き返るにはその代償が必要なのかもしれない。
…本人が願っていたのかどうかは別として。
水素「でもまぁ、酷い目にあってないようでよかったよ」
水素「いや、あったようなもんか…」
ヘリウム「まぁでも鉄だけでかえって良かったかもね。本人も記憶消えてるし」
水素「…そんでさ」
水素「その…名前覚えれないから名札かなんか…」
ヘリウム「名前覚えてないとかサイテー」
水素「いやあの量フツーに覚えらんないからな!?」
この後ヘリウムと名札を作って文句を言われながらも付けてもらった。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第8話、読みました〜! 鉄が転生してた…!しかも記憶全部なくなってて、水素のこと「知らん」って言っちゃうの、めっちゃ切なかったです…。でもヘリウムの「死ぬってそういうこと」って台詞、すごく染みました。生き返る代償が記憶の消失って、重い設定だなって思います。 最後の名札エピソードでちょっと和んだのも良かったです!次も気になります〜🌙
ドライヤーの冷風
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