フリア…フリア…!
起きろ…!
………
いつもの聞き慣れた鬱陶しい声と共に目が覚めた
「なぁに泣いてんの、そんなみっともない顔して、もしや…好きな子に振られたりしたのかなぁ?」
小悪魔的な笑みを浮かべながら彼女はいつも通り僕をおちょくる
言われるまで気づかなかった
泣いて…いた?
あぁ、そうだ 夢を見ていたんだ
「そーゆーのじゃないから、うざったいから、早く部屋から出て」
起きたばかりで相手にする気も起きず、素っ気なくあしらった
「せっかく起こしたのにそりゃあないでしょ!はぁ、早く降りてきなよ」
そういうと彼女は怒りを含めた足音と共にそそくさと部屋を去った
まただ
またあの日のことを夢に見た
ここにきて何年だろうか
瓦礫の山の中、ただ心なく立ち尽くしていた僕に手を差し伸べてくれた彼女
彼女の名はラミア
僕は拾われたのだ
あの日、僕は全てを失い、そして
救われた
今も想う
「あの少女は…」
夢に思い耽る間も無く
あのうざっこい奴の声で遮られた
ため息共にフリアはダルそうに降りていった
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