「落ち着いて食えよ…」
ナイフとフォークを繊細に使い、まるで指揮者かのように上品に朝食を頬張るフリアを横目にラミアはハムスターのように口いっぱいに食べ物を詰め込み、成人男性三人でも食べれないほどの量の食事を平らげていた
「ひゃって!おいひいし!ほりゃ!こりぇもうまひ!(だって!美味しいし!ほら!これもうまい!)」
「お前…本当に女性だよな…?」
そんなフレアを気にする様子もなく、ラミアは頬張り続ける
「にゃんて?(なんて?)」
「もういい…」
呆れたフリアは先に食事を終え、部屋を後にした
そんなことも気に留めず彼女は食事を続けた…
無駄に長い廊下
静寂の中、フリアの足音が響く
雪…か……
窓から見える外の景色はあたり一面真っ白でとても美しかった
寒いな…早く部屋に戻ろう…
フリアは足を早めた
『あのさぁ!雪はさぁ!なんでゆっくり落ちてくるのぉ?』
『なんでだろうねぇ!』
『あのねぇ!じつはぼく知ってるんだ!くーきってのがねぇ、雪をふわふわさせてるんだって!』
『すごいねぇ!フリア!ものしりだねぇ!』
ッチ
思い出したくないものを思い出してしまった
目の前で女性が泣いてる…
『俺は知らない』
あんたが見捨てたから僕がこんなんになったんだろうが…
『じゃあお前がやればいいじゃん』
そーやってまた見捨てるのか
『俺はわからない』
またとぼけて逃げるのか
『全部お前のためだ』
今まで何もしてくれなかったじゃないか
『お前がこの家庭を壊したんだよ!』
咄嗟にフリアはそれらを拒み大声を出してしまった
「何をしてんだ僕は…」
泣きそうになった彼は部屋へと入りベッドに入って考えないようにした
僕は…もういいんだ…
彼女に…あの少女が救ってくれたんだ…
もう…
無邪気な声と共に勢いよくドアを開け、ラミアが部屋に入ってきた
いきなり入ってきてフリアは驚きのあまり咄嗟に体を起こした
「あっ、もしかして男の子の時間だった?では私なんか気にせず続きをお楽しみくださいませ…」
何かよからぬ勘違いをしながら部屋を去ろうとするラミアに対し
「ちょっと待て!違う!そーゆーのじゃない!」
フリアは必死に呼び戻した
「えぇ〜?ほんとにぃ?あやしーなー」
いつも通りのうざったい笑み浮かべるラミアにフリア拳を静かに握った
「なんのようだよ」
「外、雪綺麗だし!雪雲で光強くないし散歩しよ〜!」
彼女は元々皮膚が弱く日の元には長い時間出れない
だが彼女の言う通り今日ぐらいなら少しの間なら大丈夫だろう
「わかった 準備するから待ってて」
「はーい!」
嬉しそうに返事するとラミアは部屋を後にした
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