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⬛︎第3.5章
翠架は、その夜、千秋に佐伯から聞いたことを尋ねた。千秋は最初口を閉ざしたが、翠架の真剣な眼差しに重い口を開いた。
◆
「……長い話になると思うよ。俺、昔色々あって、人を信じれなくなったの。でも、そんな時にすいに出会って、眩しいその明るさや真っ直ぐさに救われたの。
すいが、俺を、俺のまま受け止めてくれたんだ。だから、すいが俺から離れていくのが何よりも怖い、怖かったんだ…」
「…話してくれてありがとう。大丈夫、俺は千秋から離れない。なんなら離さない!」
すいは俺を抱きしめた。
「俺、勘違いしてたなぁ。千秋が、俺のことを嫌いになるのかって思ってた」
「そんなわけないじゃん…」
⬛︎
翠架の心には、千秋の独占欲に対する戸惑いが消え、ただただ千秋を支え、彼の1番近くにいたいという強い思いが満ちていた。
「ありがとう、千秋…」
「こちらこそだよ、すい」