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彼は死んだけど、こうして生まれ変わることができた。

もし私が、今回の処刑で死ぬことができたら。

私もまた、生まれ変わって彼の元に戻ってくることができるだろうかと。

今回は……私しか気づかなかったけれど。

次は、彼の魂が私に気づいてくれるかしらと……そんな……笑ってしまうほどの、ささやかな希望。


もう少しだけ欲張って良いのであれば……シャリーが再び私の娘として……そしてオスカーが私の孫としてもう1度産まれて、今度こそ幸せな、当たり前の家族を築きたい……。



私は、想像してみました。

自分が願った風景を。

皆が笑っています。

オリバーも、シャリーもオスカーも。

そして私に言うのです。


「今日のおやつはなあに?」


そして私は言うのです。


「パンプキンパイを焼いたから、みんなで食べましょう」


と。






明日の処刑は誰が担当するのかは分かりません。

ただ、彼の手で、死を……この虚しい、シャルロットとしての生を終わりにすることができるのならば……この悲しすぎる再会は……ほんの少しだけ……意味があったのかもしれないと……そう思い込むことにしました。



眠れないまま、あっという間に処刑当日となりました。

私は、木にくくりつけられました。

周囲には、魔女を殺せと叫ぶ、大勢の人々がいます。

その中の1人に……騎士としての役目を全うしようとする彼も、おりました。

じっと、彼は私を見ていました。

私も、彼を見ました。

もし、本当にこれで死ぬことができるのならば、シャルロットとして見るのは彼の姿が良いと、この時思ったからです。


そしていざ、火がつけられそうになった時のこと。

突然、彼が私の方に向かって走ってきたのです。

彼を押さえ込もうと、たくさんの他の騎士達が彼を止めようとしましたが、彼はそんな騎士達を剣で斬り倒していきました。


一体どうしたのだろう。

そんなことを考えたその瞬間、信じられないことが起きました。


「シャルロット!!!」


と、私の名前を呼ぶ、彼の声が……私の耳に届いたのです。

あなたに抱かれたい、もう1度だけでいいから 永遠を生きさせられた魔女が愛する人ともう一度結ばれるまで

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