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いや…なんか短編集のリズム?にハマっちゃいました…
ということで(?)飯綱さん中心短編集書いてきます。マフィアの方読んでもらえると、主が飯綱さんと学園長の絡みが好きなのはバレて…るか。書いたっけ?皆さんノベルとチャットノベル、どっちが好きですか?私は…なんとなくノベルの方が好きなんですよね…おちつく?んです
昼休み、ある生徒は購買戦争で身を削り、またある生徒は弁当を食べ穏やかに友と話に興じている。賑やかな生徒達とは対照的に職員室の空気は実に重たいものだった
🍶「飯綱くん…ごめんて…」
☀️「えっと…ほら、誤ってるし…ね?」
床に正座している凛太郎。無言でパソコンに向かう飯綱。(珍しく)本気で反省している凛太郎と、今までに見たことないくらいガチでキレている飯綱の間に入り泣きたい晴明。他の教師達も、いつもの賑やかといえば聞こえのいい口喧嘩ではなく、ヤバい喧嘩に発展していることに気づいたのか、数分前に全員職員室から出て行った。ことの発端は、凛太郎が誤って飯綱のパソコンのデータを消してしまったのだ。イタズラ心で飯綱のパソコンを覗こうとしたのだ。飯綱は、自分以外触ることもないだろうし、電源も切っていたので、データが消えることはないだろうと考えていたためにバックアップを用意していなかった。そして、凛太郎が消したデータは、放課後…つまり約3時間後から始まる職員会議で使う資料だった。印刷しようと職員室に戻ってきたが、真っ青な凛太郎がいたので嫌な予感はしていたが当たってしまった
🍶「どないしよ晴明くん…」
☀️「いや…今の飯綱くんに話かけても返事なんて来ないよ…」
🍶「やってもうた…」
☀️「復元とか出来ないの…?」
🍶「やり方知らんし、あるならこんな怒らんやろ…飯綱くんパソコンはがんばっとったから、僕より扱い上手いし…」
☀️「嘘ぉ…」
この小声での会話を聞き取れないほど飯綱の耳は悪くないはずだが、なんの反応も示さない。いつもならヤンキーを感じさせる剣幕で怒ってくるはずなのに。もう一言も発しない飯綱に、晴明も多分めっちゃまずいことになっているのは分かっただろう
☀️「前例ないの?」
🍶「いつも殴り合いか口喧嘩やったから…」
☀️「え、じゃあ、こうなるの初めてなの…?」
🍶「対処法知っとったらこんな悩まんわ…」
☀️「とりあえず、手伝おうか」
🍶「せやな…」
🍶「飯綱くん、僕は何したらええかな?」
🧣「…」
🍶「飯綱くん?」
🧣「…」
🍶「えと…」
🧣「うぜぇ。失せろ」
二言。一瞬で飯綱は凛太郎の誠意を拒否した。凛太郎からすれば義理の兄になるし、晴明からしても第2の兄といっても過言ではない。ひとえに飯綱の兄貴分属性故である。喧嘩をしても、なんだかんだしっかり話を聞いている。大喧嘩しても、話は聞いてくれるし、謝罪をしようという相手を無下に切り捨てるようなことはしないし、学生時代からの付き合いのある凛太郎もこんな風にされたことはなかった。大体、飯綱が歩み寄ってくれていた。だから、ここまで露骨にあしらわれたことに冗談でも比喩でもなく息が止まった
🍶「やばい…数分前の自分を殴り殺したい…!」
☀️「飯綱くん…あんな風に怒るんだ…」
2人は職員室の外で体育座りをしていた。まったくもて案も策も思いつかないのだ。今までに見たことのない飯綱に2人とも頭が回らないのだ。2人とも、頭はいい。しかし、2人には圧倒的にコミュニケーション能力が足りなかった。面倒見のいい飯綱に対人関係を任せていた凛太郎。友達すら作れなかった晴明。仲直りの仕方なんて知らないのだ
🎭「2人揃ってなにしてるんです?」
🍶「学園長…」 ☀️「学園長〜…」
ぬらりと音もなく現れたのは学園長だった。教師2人が職員室前で体育座りをしているという話を聞いたために来てみたら、いつもの問題教師だった。一名足りないことから、なんとなく状況はさっせた
🎭「…とりあえず、学園長室で話は聞きますから」
🎭「バカなんですか」
🍶「自分のしたことにここまで苛立ったことなんか初めてですよ…」
☀️「あの、僕たちその…友達との仲直りの仕方とかわからなくて…」
🎭「私も…友人なんていませんからね…」
詰んだ。3人は率直にそう思った。希望はない、と。今は5時間目が始まっている。なので、交友関係が広そうな泥田や藤平にアドバイスをもらうこともできない
🎭「仕方ないか…」
そういうと、自らの財布を出すと千円札を一枚窓際へ持って行った
🎭「今きたら千円あげますけどー?」
🐦⬛「呼んだ?」
☀️🍶「(秒できた…)」
🎭「少し相談なんですが」
🐦⬛「ん?」
🐦⬛「で、友達少なくて仲直りの仕方知らないんだwwwwwwww」
🎭「貴方もまともな友達いませんでしたね。消えていただいて結構です」
🐦⬛「いいの?」
🎭「…」
🐦⬛「んーと、方法としては素直に謝る」
🍶「謝罪拒否や」
🐦⬛「じゃあ好きなものあげるとか」
🍶「失せろいわれた」
🐦⬛「…消しちゃった資料自分で作るとか…」
🍶「6時間目は僕 授業やし、」
☀️「飯綱くんが何の資料作ってたのかも知らないですし…」
🐦⬛「そんなのあっちゃんに聞けば、」
🎭「…任せてたので、」
🐦⬛「議題は?」
🎭「…4か5あってですね…」
🐦⬛「八方塞がりってどころじゃないじゃん。360 度塞がってるよ」
🍶「てか議題多ない?」
🎭「まあ…どっかの馬鹿どものせいでできた問題もありますし」
☀️「あっはははは…」
🎭「クレームやらまとめた…まあ報告会みたなものになる予定だったんですが…」
🍶「マジで終わったやん僕」
精神的に絶望しか無い凛太郎
キーンコーンカーンコーン
🍶「マジで終わった!!!!」
授業の終わりを告げるはずのチャイムが、物理的に詰んだことを告げた
🐦⬛「え〜…なんか後味悪いね」
🎭「どうしろと?」
🍶「どないしよ〜?!」
🐦⬛「てか、日ずらせばいいじゃん」
🎭「日ずらして終わると?」
🐦⬛「あ〜…」
🍶「終わった…」
授業開始5分前になり、全く進展はなく。飯綱はというとただ黙々とパソコンに向かっている。飯綱は6時間目はないようだ。しかし、キーボードを叩く音がいつもと違う。いつもはカタカタと心地良くなっている音が今はガダガダと音を立てている。エンターを押す時なんてパソコンのキーボードを割るつもりなのではと疑うほど強くおしている
☀️「とりあえず、考えながら授業しようか」
🍶「せやなぁ」
🎭「ちょっと、真面目に授業はやってください」
サラッと爆弾発言を落とした晴明に頭を抱えた
🍶「なんや、自分は友達おらへんから僕と飯綱くんの仲引き裂こうてか?」
🎭「てめぇ…てかそこまで仲いい…から喧嘩すんのか」
🐦⬛「あっちゃん、戻って」
自分もさして交友関係が広いわけではないということを痛感している学園長。というか、毎日顔を合わせれば飯綱と喧嘩しているのに仲を引き裂く?何言ってんだと思ったが、あれだ。『喧嘩するほど仲がいい』ということだろう。引き裂くつもりなんてさらさらない。引き裂こうものなら互いのストッパーがなくなる。晴明が頑張ればどうにかなるかもしれないが、被害は確実に大きくなる。その点、2人は長い付き合いの中で互いのことを把握している。故に凛太郎が酒を飲み暴れたら止められるのは(止めようとするのは)飯綱だけだし、飯綱が昔の血が騒ぐのか喧嘩に走った時に諭すのは凛太郎の仕事なのだ。これ以上校舎を破壊されたく無いのだ
🎭「…まあ、私もできることを探して状況変えときますから」
🍶「何の役に立つん」
☀️「飯綱くんそんな意思弱く無いと思うんですけど…」
🎭「お前変わってたら覚悟しろ?」
🍶「どーせ無理やて」
🎭「減給でもちらつかせれば話すでしょう」
🐦⬛「なんてむごいことを…」
コミュ力底辺トリオと比べるのはハードルが低すぎるだろうが、蘭丸もコミュ力はある。ある方なので、上司の圧力によって問題を解決されるなんてどれほどのものだろうと想像がついてしまう。自分がその立場ならそんな上司なんてストライキの 1発や10発かましてる
🐦⬛「(メガネくん…頑張ってんだな…)」
人知れず飯綱に同情し、学園長1人に任せれば恐らく無敵の権威の前に飯綱は平伏さざるを得なくなる。毛を刈ろうとした贖罪も兼ねて、穏便に終わるように手伝おうと決めた蘭丸だった
🎭「飯綱くん、少しいいですか」
🧣「今度はなんだ。失せろっつたろクソジジイ…ジジイ…?」
🎭「それ私のことじゃ無いですよね?」
🧣「が、学園長…」
無表情から一転、真っ青な顔になる飯綱。パソコンにはやはり今日使う資料らしきものがあった。しかし、ジジイ呼ばわりされたことが琴線に触れたのだろう。今にも殴り掛からんとしている
🐦⬛「はいはいストップストップ」
🧣「…」
🐦⬛「言わなくても何言いたいかわかるから」
🧣「で、何のようで?できれば手短にお願いします」
🎭「では、率直に。少し話を聞いてあげたらどうです?」
🧣「…」
🎭「別になくても構いませんよ。それに、日をずらすことも出来ますし」
🧣「バックアップも用意してなかった俺の責任ですね。わかってます」
🎭「どこをどうやって解釈したらそうなった?」
🧣「とにかく、会議までには間に合わせますから」
🎭「だからズラしますって」
🧣「仕事増やしてすみませんでしたね」
🎭「こんのガキ…!」
いつもの数100倍頭の回らない飯綱にそろそろ限界なのか、手の甲に青筋が浮き出ている。飯綱は勉強はできないが気はきくし頭の回転も早い(悪ふざけのみ発揮可)。資料も用意したり、学生時代と比べればかなり真面目だろう。だから少し融通をきかせることも厭わないが、流石にここまでされると殴りたいらしい
🐦⬛「だからやめなさいって」
🎭「じゃあどうしろと…!」
🐦⬛「メガネくん?あっちゃんもこう言ってるし…そもそも、職員会議でしょ?本気っぽいのは休日とかにやるじゃん。そんな資料いる?」
🎭「そういや…そうだったな。そういえば、今年から枚数増えたましたよね?」
🧣「…」
🐦⬛「もしかして、晴明くん?」
🧣「…」
🎭「は?」
🐦⬛「ほら、まだ彼は俺ら妖怪には詳しく無いでしょ?妖怪ならではの問題とか上がるんじゃ無い?」
🎭「…晴明くんが追いつけるように…?」
🧣「…さぁ」
あからさまに目が泳いでいる。大人になって隠し事は上手くなっていたが、飯綱も余裕がないのか嘘を隠せていない
🎭「それに、要点がまとまっているので進行上も便利…。疑問などもはっきりしやすい」
🧣「…分からないことをツラツラ書かれたり言われると腹立つだけです」
🎭「ああ…君ならではの優しさというわけですか」
飯綱は、包み隠せば学力が低い。はっきり言ってしまえばバカだ。この前も『泰央板網』と一文字もあっていない名前を書いて提出してきた。漢字の読み書きもできなければ、計算もできない。しかし、それは誰よりも分からないということが分かるということなのだ。だからこそ飯綱は、わからないを1番理解して分からなくても分かるようにしようと飯綱なりに励んでいたのだ。それが消えたとなれば、流石の飯綱でも怒るだろう
🐦⬛「じゃ、仲直りするだけだよ」
🧣「…」
🐦⬛「あれ、分からない…?」
話を聞く限り、飯綱が歩み寄るからこそあの2人は友達との仲直りの方法を知らないのだと思っていた。飯綱まで分からないとなるとかなり雲行きが怪しくなる
🧣「いや…かける声もないと言うか…あんなこと言った手前引くに引けなくて…」
うぜぇ、失せろ。そう言ったのは他ならぬ飯綱自身だ
🧣「その、申し訳なかったな〜と…」
🐦⬛「君もしかして兄弟多い?長男?」
🧣「兄弟多いですけど8男です」
🐦⬛「8っっ?!」
🎭「…ゴホン。今、どこまで資料作り終えてます?」
🧣「えっと、まだ2つだけで…」
🎭「じゃあ今日はその2つ話して終わりにしますから。仲直りしてきなさい」
🧣「はい」
あとは飯綱に任せれば解決する…はずだった
🎭「戻ってきませんね…」
🧣「もう30分になりますよ」
🐦⬛「え、気まずすぎてとかじゃないよね? 」
全くもって晴明と凛太郎は帰ってこない。何かあったのだろうか。今のところ爆発音もしな
した。
🧣「この方向…参組か!」
🎭「ふざけんなよ…今週何回目だと…?!」
🐦⬛「1週間に何回も爆発ってするもんなの…?」
犯人も大体わかっている。しかし、なぜ30分してから爆発した?授業中や授業終わりにならまだ納得できるのだが…
🧣「大丈夫か?!おまえ、ら…?」
☀️「い…は、秦中先生…」
🍶「本人来たで…」
🧣「…安倍先生?」
☀️「あ、いや、これはその、違くて…!」
黒板には、『凛太郎くんと飯綱くん仲直り大作戦』と晴明の字で書かれていた
🧣「…」
🐦⬛「えーっと、『酒飲まして記憶飛ばす』、『いっそのことパソコン本体ぶっ壊す』、『アニマルセラピー』…」
🎭「まともなのが1つしかないですね」
🧤「ほーら神酒せんせ。実践でっせ」
🍶「ちょぉ泥田くん?!」
🍶「えっと、秦中くんその…データ消してごめんな?」
🧣「あー…俺もムキになって悪かったな」
☀️「え、学園長に何されたの飯綱くん!!あんなに近づくなオーラ出してたのに!!」
🧣「いや…お前らの会話も聞こえてたわ」
☀️🍶🎭🐦⬛「え?」
🧣「だから、その…やばいと思ったんだけどさ、俺今回ばっかりは何も悪くねぇじゃん?」
☀️「そう、だね…」
🍶「今回全面的に悪いのは僕やて理解しとるわ」
🧣「だからちょっと痛い目見せてやろうって思ったんだよ」
参組+🎭☀️🐦⬛🍶「は?」
🧣「学園長まで巻き込んでしかもテンパるとは思ってなかった。毛刈りの野郎までくるし」
まさかの爆弾発言である
🎭「…じゃあ、さっきまでのも全て演技ですか…?」
🧣「いや、9割本気です」
🐦⬛「残りの1割は…」
🧣「遊んでやろうと思いました」
🍶「っ〜〜!!何やねんこのクソ中!!反省しとったこっちの気持ちを返せや?!!」
🧣「まあ、資料一から作り直しで残業確定だけどな」
🍶「何やねんそれが!!どうせ仕事早いんやから死ぬまで残業せえや!!!」
🧣「いや〜今日は久々に飲もっかな。ビールうまそう」
🍶「こんのかまいたち!!今日という今日は駆除したる!!!!!!」
🧣「ぷらすちっく聞いてるみたいだわ。気分いいな」
🍶「こんの…!晴明くん、そのイタチ祓ったれ!!!!!」
☀️「え?!」
🐦⬛「プラスチック?」
🎭「…ああ、クラッシックのことじゃないですか」
🐦⬛「よく、わかるね…」
少年時代とかわらず、悪知恵だけはある自分の右腕にため息しか出ない学園長。しかし、丸く収まらないのも彼ららしくてつい仮面のしたで頬が緩んだ
🧪「しょうがないな〜ここはこの柳田がフィナーレを飾ってあげよう!!!!!」
こうして、弍年参組の教室は全壊し、柳田は学園長から鉄拳制裁を喰らった。参組の生徒達は、予測していたかの如く机を盾にし全員無傷であった。そして
☀️「あ、ありがとう飯綱くん…」
🍶「ようやったわ…」
🐦⬛「てかあれあんな狭いとこで爆発させちゃダメでしょ?!!!!!」
晴明と凛太郎、蘭丸は飯綱に抱えられ全員髪や服の一部が焦げるだけで終わった
🧣「マジで死ぬかと思った…」
🍶「そないなこと言うなやバカ中!!!!!」
🍶「お前がいうたら洒落にならんのやぞ?!」
🐦⬛「…そっか、メガネくんかまいたち、つまり動物妖怪か!」
☀️「飯綱くんがやばいっていうなら相当ヤバいよね…?!」
動物妖怪は勘がいい。本能的に危険を感じ取るのだろう。その動物妖怪が言うのだ。生まれながらの不幸体質・晴明は自分の死因が爆死になるような気がしてきたのだった。こうして三馬鹿解消の危機は柳田の爆発事件によって見事爆破されたのだった