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『妖怪学校の生徒始めました』も読みました!いや…インテリ(?)トリオそこで結成されてたか〜
🧣「ふぁ〜眠ぃな…」
今は昼休み…も終わった5時間目。晴明達よりも早く仕事を終わらせた飯綱は屋上でサボっていた。誰もいないので、タバコを吹かしていた。休み時間に基本教師に休み時間はない。今休まずしていつ休むと言うのか。真面目な秦中先生も休んだっていいだろう
🐈「サボりか」
🐾「相変わらずコンプラ時代に喫煙とかやべえな」
🧣「…何でいんだよ」
🐈🐾「サボり」
🧣「人のこと言えねーじゃねーか…」
飯綱の昼寝を終わらせたのは豆吉と玉緒だった。この2匹は入学時…つまり去年から個人的に交友(?)がある。コイツらは家にまできた。恐らく凛太郎あたりが情報漏洩元だと踏んで速攻締めた
🧣「で、なんできたんだよ。佐野は?にゅうどうは?」
🐈「いや、晴明が出張で消えたから今日の自習の担当お前ぞ」
🧣「うっそだろ俺?!」
🐾「用もねえのにわざわざお前のとこなんざこねえよ」
🧣「…自習じゃなくて?」
🐈「いや?国語だよ?」
🧣「…いや、入道、変わってくんね?俺がお前の代わりに授業取るから」
👀「何言ってんだあんた…」
🧣「俺から教わることないだろ」
👀「…………そんなことは」
🧣「沈黙が語ってんだよなぁ…」
🐾「はい!秦中先生ー!」
🧣「なんだ」
🐾「親睦深めない?」
🧣「は」
🐾「ほら、あんた自己紹介してないだろ」
🧣「いや、したぞ」
🐾「甘ぇんだよもっと個人情報公開しろやクソイタチ」
🧣「…いや、…知りたいことないだろ」
ちゃんと始めの授業の時に自己紹介はした。名前と年齢。十分すぎると思うが足りないらしい
🧤「はい!ズバリ奥さんとの馴れ初めは?!」
🧣「…」
興味のなさそうなメンツを巻き込んで自習で終わらせてとっとと戻ろうとしたその時、泥田が質問をした。一斉に興味を持った生徒の前で引けない飯綱だった
🧣「…知りたいのか」
参組「はい」
主に女子が乗り気だ。やめてほしい。男子に至っては半分興味、半分恨みのこもった視線を向けられている。何だこの不条理
🧣「…」
🐈「いや!!それは最後にとっとくべきぞ!!」
🐾「今の間は適当なこと考えてる間だから」
クソが。やはり動物妖怪には気づかれる
👿「はい。好きな食べ物」
🧣「佐野?!」
👿「さっさとしろよ」
絶対舞塚である。佐野は舞塚全肯定botなのだ
🧣「…酒」
🐾「クソみてえなわかりきった回答だな」
🧣「と荊棘ちゃ…んが作った料理」
男子「惚気てんじゃねえよ」
理不尽。事実なのに
💀「あ、じゃあいいですか?」
🧣「ん?」
☠️「明さんを嫌いになった理由って…?」
🧣「命の危険を感じる」
☠️「そう…ですか?」
🧣「あいつ俺のこと動物園に連れてって何させたと思う」
☠️「え…?」
🧣「どの動物が俺に食いつくか実験しやがった」
☠️「それは…すみません…」
🧣「謝る必要ないでしょ」
今は伏せたが、割とこんなのからくだらないこと、ここでは生徒達の精神的にもかなりセンシティブになるので黙った。今後もあれは医者として学校にくるのだ。下手にそんな話をしても意味がない
👓「はい」
🧣「倉橋?お前乗ってこないと思ったのに。で、なんだ?」
👓「どうやって大学行ったんですか?」
🧣「…学園長に、勉強見てもらった」
🐾「学園長?!」
🧣「ああ。だんだん俺がバカすぎて手だけじゃなくて足まで出してきたけど」
🐈「あの学園長にことあるごとにぶん殴られてんのは流石に尊敬するわ」
🧣「嫌味をどーも…ま、俺でも大学いけたし、教師やってんだ。お前らは絶対大丈夫だ」
それは、将来に向けて学力の心配をする年頃の子どもにとってはこの上なく説得力のある言葉だった。こんなんでも大人になって社会にでられる。そう思うだけで心は羽がついたかの如く軽くなった
🐈「俺からもいいか?」
🧣「教師になろうと思ったのは…学生時代だな」
🐈「まだ何も言ってないぞ! 」
🧣「違うのか?」
🐈「違わないぞ…」
🧣「ん。で…教師ってさ、頭よく見えるじゃん?」
理由うっっっっっすい。参組はそう思った。そんな軽い気持ちでその仕事つくもんじゃないだろうとツッコミたくなるがこれで本人は真面目なのだ。何も言えない
🧤「さて…そろそろ話してもらおうか…?」
🧣「…高校卒業して付き合った」
男子「は?」
🧣「あー…俺の卒業待って付き合ってくれた」
🧤「待ってって…」
🧣「先生だったから。荊棘ちゃん」
参組「ゑ?」
先輩後輩の恋愛なんてものじゃなかった。まさかの生徒と教師。それは、学生にとって禁断の恋であり、聞く分には最高のものだった
🧤「おい…なんだよそれ…!」
🧣「俺も知らん」
🐈「そんなんで愛なんてあるのか?!!!!!」
🧣「…せ」
参組「せ?」
🧣「世界で1番愛してる」
女子「きゃ〜〜〜!!!!」
男子「あ“…?」
こともなしにさらっと『世界一愛してる』という飯綱に黄色い歓声を上げる女子。(佐野を除く)男子は、血涙を流しながら睨みつけていた
☠️「奥さんのどこが好きなんですか?!」
🕷️「奥さんとの思い出は?!」
☂️「奥さんはどんな人なのよ?!」←(登場数少なくて口調わかんないごめんね)
🧣「ええっと…」
女子の盛り上がりようは凄まじく、男子による呪詛がかき消されている
🧣「…俺のカッコ悪いとこも知ってるところが好きだな。思い出は…やっぱ告白されたときとか…いや、婚姻届学園長にもらいにいったことかな。どんな…すっごい美人でめっちゃ優しい」
かなり情報が多かった。いや、飯綱はさらっと爆弾を混ぜていたのだ。柳田の存在が物理的な爆発なら、飯綱は言語的な爆発魔だと言える
👀「色々ツッコミてえんだけど」
参組「マジそれな」
🧣「?」
🧤「おら、ここ座れ…」
泥田により椅子に座らされた飯綱。を囲む男子と女子
🐾「ごほん。では、まず好きなところどう言う意味だよ」
🧣「そのまんまなんだが」
🐈「だいたい、お前は常時カッコ悪いぞ」
🧣「…フッ」
突然穏やかに笑った飯綱。その笑顔はどこか遠くをみるような、しかし思い出に耽っている顔だった
🐾「おい、」
🧣「荊棘ちゃんは、凛太郎の姉になる」
🐈「それは知ってるぞ」
🧣「つまり、俺は彼女の十分の一以下の時間しか生きられない」
🐾「あ… 」
同じ動物妖怪である舞塚と玉緒もきづいたのだろう。他の生徒も意味は察したようだ
🧣「だから、最初は断ったんだ。後に引きづらせるのも、申し訳ないから」
🧣「それでも、同じ時間を生きたいっていってくれて。荊棘ちゃんがそう言ってくれるのに腹の1つも…1000年以上分幸せにしてあげられる覚悟も自信もなくて…」
🧣「そうやってくだらないこと考えて、傷つけて。それでも好きだって言ってくれる荊棘ちゃんに向き合わないのは違うって思った。男として…なんて言えるほど凛々しくはなかったけど、同じ時間をいきて、…俺も、寿命がつきるまで…死ぬまで、ちゃんと幸せにしよって思ったんだ」
🧣「だから俺は荊棘ちゃんと結婚して、教師になった…まあ、半分教師になったのも荊棘ちゃんに向いてるって言ってもらえたからでもあるし、何より…俺が、荊棘ちゃんだけど、『神酒先生』の姿に憧れたからかな」
🧤「クソっ…なんもいえねえ…」
🧣「何言おうとしてたんだよ…」
🐈「というか…告白向こうからだったんだな」
🧣「ああ。俺もびびった」
🐾「てかちゃっかり惚気てんなよ」
🧣「勘のいいタヌキだなおい」
惚気ていた自覚はある。今でも鮮明に思い出せる。飯綱は無意識のうちに左手の指輪を撫でた
🐾「ていうか、俺は思い出の方も気になるんだが」
👀「そりゃ一大イベントだろうが…なあ?」
🧣「証人学園長に頼んだんだよ」
参組「学園長ーー?!?!」
🧣「そしたら『お前ら人生舐めてんなよ?!!!』つってぶん殴られかけた。神酒が止めてくれたおかげで殴られなかったが…あの学園長は見てて面白かった」
🐾「お前マジで性格悪いな…」
🧣「そう?てか、俺ら妖怪だし。送ってんの人生じゃねえし」
🎭「おやおや。懐かしい話ですね?」
🧣「ひゅっっ」
毎度音もなく登場する学園長には慣れた。慣れたが、御本人が登場し、飯綱は殴られることを悟った
🎭「全く何やってんですか」
🧣「いや、逆に聞きますけど、俺が国語わかるとお思いで?」
🎭「誰がお前の勉強見たとこ思ってんです?」
🧣「でしょ?!」
🎭「…しかし、君の人生波乱万丈って言葉がよく似合いますね」
🧣「はらんばんじょう」
🎭「色々あって大変ってことです」
🧣「へ〜」
🎭「教えましたよ? 」
🧣「…だれか、俺にようかん句教えてくれ…」
参組「ようかん…?」
🎭「慣用句でしょう!全く…というか、これ四字熟語ですからね?」
🧣「…俺の名前って四字熟語なんですか」
🎭「…」
救えないと頭を抱える学園長をみた参組は、まっすぐ自分の道を歩けばいいんだなと思ったのであった
🧪「じゃ、俺の道行ってみよう!!!!」
1番歩いてはいけない野郎が己の道を突き進んで学園長に吊るされ炙られるのは数秒後の話