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本日は学校はおやすみ。前の世界と同じように曜日が月曜から日曜と設定されており土日祝は学校はお休みなのだ。というわけでこの休みをどう使うか悩むところではある。前の世界では家事をやったら半日終わりもう半日は寝て過ごすだけのあってないようなクソみたいな休日の過ごし方をしていたが、今は再び学生という扱いで生きてるためそんな時間の使い方をしなくても済むわけだ。まぁ、俺の学生時代も社会人時代と大して変わってないけどこうして新しい人生始めるんだから多少何かしないといけないよな。
「というわけで少し先取りして魔法を学ぼうかと思い貴女に協力を仰ぎました。」
「一応私も忙しい身ではあるのですが?」
「『アルラ』さんって魔王様の秘書的な人なの?それともメイドさん的な人なの?」
「どちらでもないです。普通の部下ですので私。」
「一応休日なのに魔王軍ってお仕事あるんだブラックだねぇ…。」
「いえ、休日の仕事はありませんしやってはいけないと言われてます。」
「え?」
「適度な休憩がない仕事など生産性が落ちていき人が壊れるだけですので休日はきちんと休むのが一種の『仕事』というふうに言われてます。」
「じゃあなんで忙しいって言ったんです?」
「決まってるじゃないですか、ミハイル様の観察日記を付けるために後を追うんです。」
「凄い澄まし顔で何堂々と犯罪予告してるんですか?」
「ミハイル様は私達よりお年もそうですが実力も天と地の差があります。故にその強さの源を知りたいということで私はここに来た時から今日も日記をつけているのです。」
「魔王様貴女の臣下ヤバいやつですよ!?」
「ちなみに日記帳は10冊は超えてるな」
「聞いてないのに気持ち悪い情報が追加でお出しされたんですけど……。」
「とにかくそういう理由で私はあなたの面倒を見ることが出来ない。すまないな。」
「真面目そうな人ほど人に言えない趣味があるってホントのことなんだなぁ……。」
「代わりと言ってはなんですが私の同期を紹介します。彼女は魔法に限らず戦闘においてプロフェッショナルですので快く教えてくれると思いますよ。」
「アルラさん経由で紹介される人個性強そうなんですけどまぁ背に腹はかえられぬということでお願いしてもいいですか?」
「かしこまりました。では、連絡して起きますのでサトル様は外の野外訓練場でお待ちください」
「アルラに頼まれたから来てみればお前さんは魔王様のお気に入りの人間じゃねぇか」
「まさか四天王と呼ばれるおひとり『アオイ』さんが来て下さるとは…。でも、本当に魔法なんて使えるんですか?」
「おうなんだ失礼な人間だな?お前の頭かち割ってもいいんだぞ?」
「だって偏見ですけどアオイさんってオーガ一族ですよね?あの一族って筋骨隆々で物理攻撃しかして来ないような人ばかりだと思ってましたし何よりアオイさんもガタイいいしタッパもあるし使う武器は金棒だしと魔法からは程遠い存在に見えるんですもん。」
「本当に頭かち割るぞお前。オーガ族の女と言えど小さくても身長180はあるし、私はその中でも大きい210と巨大なんだぞ?せいぜい177とかのカリンチョリンの人間なんぞ片手で捻っておしまいだぞ?」
「でもこういうのってほら心のうちでボソッと呟くよりもしっかり言った方がいいじゃないですか。思ったことをちゃんと言うって前の世界じゃ出来なかったことなのでこの機会にそれも治そうかと。」
「だからと言って全て話していい訳では無いからなおっさん?」
「それでアオイさん本当に魔法使えるんですか?」
「使えるから呼ばれてここにいんだよバカが。」
ミハイルさんの部下の中で特別優秀な人を四人選びその選ばれた者たちを四天王と呼び、その一人のオーガ族の天才少女と言われたアオイさん。幼くして里を悪意ある人間に襲われたが彼女一人だけが無事でその周りには同胞と襲ってきた人間と思わしき肉塊が転がっていたらしい。その鬼神の如き強さと身寄りが無くなったという点を買われてミハイルさんが引き取り自衛できるレベルまで大切に育てそれに応えようとアオイさんも頑張ったらしく結果として今四天王の一人になれてるということらしい。
この四天王になる過程で魔法も独学で学びオーガ族は物理しかできないという先入観を逆手にとった魔法攻撃も会得し頼れる前線の戦士として仕上がったらしい。とはいえうちは中立なので基本の仕事は兵の育成と特定の魔物を倒すなどが多い。
「それで?魔法を使いたいって急なお願いだがどうして使いたいんだ?」
「単に興味です。最もらしい理由をつけるなら学校で魔法の授業があるらしいので先に予習しておこうという事ですかね。」
「そう言えばお前は外から来た人間だから学校に入れられてるのか。」
「みたいですはい。成人男性29歳なんですけどね。」
「魔物からしたら子供なんだ仕方ねぇよ!」
「それでアオイさん。俺まず何からやればいいんですか?」
「まずはコイツを持ってみろ。」
そう言い投げ渡され危うく落としそうになるもかなんとかキャッチし掴んだものを見てみる。
「これは……水晶?」
「そうだ。その珠を持って手に意識を集中してくれ水晶玉を撫で回すでもなんでもいいからとにかく手に意識を集中してくれればいい。」
「まぁやってみます。」
透き通るほど綺麗な水晶玉をとにかく触ったり眺めてたり色々やってるとだんだん透き通るほど綺麗な水晶は黒く濁っていき、遂には光すら通さないのではないかと錯覚するほど真っ黒に変色してしまった。
「え…なにこれ……怖っ。」
「なーるほど?これは私もびっくりな結果だな」
「な、なんなんですこの水晶?」
「この水晶は持った人物が何の魔法が得意なのかを調べることの出来る水晶で私はこれを持った時赤やオレンジ等炎を連想させるような色に変化してな。ま、その見た目通り私は炎が得意だったらしく魔法単体でも火力はあるし武器に纏わせて戦うなんてことも出来たんだ。」
「その理論ですと私が持ったこの水晶真っ黒になってるって事は闇とかそういうのが得意ってことでいい?」
「そうなるな。まぁ、闇魔法が得意なやつもそうそういないし個性的だな!」
「これって案に俺が闇深いやつみたいじゃ…。」
「実際なんかしら闇抱えてるだろ?」
「いや…まぁ……うん。」
「どんな闇を持ってんだよぉ?」
「闇なのか分かんないけど、前の世界では最初に就いた会社では自分の手柄を同期が奪い去って俺は無能の烙印を押されたのとか転職一回目は部下のミスをカバーして気が付いたら自分の仕事以外の仕事を積まれてたりとか、二回目の転職でも上司の仕事を押し付けられてそれ含めて残業して睡眠時間削ってたとかかな?」
「…………。よしサトル!」
「は、はい?」
「魔法については一旦あとでやるとして昼から飲み明かすぞ!」
「え、えぇ……。」
「料金は私が全て持つから美味いもん食って酒飲んで楽しむぞ!ほかの四天王も呼んでやる!」
「なんで急にそんなことを……。」
「いいから行くぞ!!」
「ぐえぇ!?丸太担ぐみたいに俺を担ぐな!自分で歩けるから離せ!!」