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凛道桜嵐 新
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わーい
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コメント
1件
えびふらい目当ての恐竜博物館、めちゃくちゃ良かったです……! 肩車をためらう幼児の霊に「このおっさんはすごく優しい」とフォローしつつ追い討ちしてる千歳の絶妙なやり取りが最高でした。説明板を読み上げてあげる優しさも、マンモスは恐竜じゃない問題も。モルフォ蝶の構造色の話まで入ってくるところが、この作品らしくて好きです。
エントランスに入ると早速、屹立した肉食恐竜化石のお出迎えだった。
「「「きょーりゅー!」」」
『わあ、もういるんだな』
千歳が目を見開いた。
「チンタオサウルスっていうんだって。中にはティラノサウルスもいるってよ」
俺は下調べで知っていたことを話した。
「「「みゆ!!」」」
幼児の霊は鼻息が荒い。
「先に入場券買おうね」
券の窓口に行くと、中学生以下は無料とのことだった。俺と千歳、二人で大丈夫か。
ゲートをくぐって中に入れてもらうと、中は天井がとても高く、その天井に頭がつきそうなくらいの恐竜の化石が目に入った。この博物館は三階までの吹き抜けを贅沢に使って化石を展示している、と観光サイトに書いてあったことを思い出す。あの化石がティラノサウルスかな?
幼児の霊は光の速さで大きい化石に駆けていこうとしたのだが、千歳ががっちり手を握っていた。
『ゆっくり行こうな、他の人も見たいからな』
「「「はやくみゆ!!」」」
『うん、行こう行こう』
他にも展示物はたくさんあったのだが、俺達はティラノサウルスの化石に直行した。幼児の霊は狂喜して飛び跳ねた。
「「「おっきい! おっきい! かっこいー!!」」」
『もっと近くで見たいか?』
「「「みゆ!」」」
『ほれ、和泉、頑張れ』
千歳が俺を見た。あ、肩車タイムか。
「俺が肩車してあげるよ、そしたらもっと近くで見られるよ」
「「「こっちのおじちゃん?」」」
今まで千歳にべったりだったせいか、幼児の霊は少し不安げな顔をした。……ていうか、俺、おじさん扱いか……いや、もう30だし、当たり前だけどね……。
「その、おじちゃんのほうが背が高いからね、そっちの千歳に肩車してもらうより、近くで見られるよ」
『大丈夫だぞ、このおっさんはすごく優しいおっさんだぞ』
千歳がフォローして、幼児の霊を促してくれたけど、おっさん部分は追い討ちなんだよなあ……。
「「「じゃ、のゆ」」」
「はいはい」
俺は幼児の霊を肩車し、心持ち背伸びする気持ちで幼児にティラノサウルスの化石をよく見せた。
「「「おっきい……かっこいい……」」」
肩車しているので幼児の顔は見えないが、感嘆しているようだ。よかった。
肩車したままティラノサウルスの化石周りをうろうろし、一緒に吊るしてある水生恐竜の化石も見た。幼児の霊が「「「ほかのもみゆ」」」ということで肩車から降ろし、翼竜の化石やアンモナイトの化石なども見た。原生哺乳類の化石まであるんだ、すごいな……。
説明板にもいろいろ書いてあり、幼児の霊が「「「よんで!」」」とのことなので、俺と千歳で読み上げて説明してあげた。
「「「まんもしゅ!!」」」
幼児の霊は総じて喜んでいたが、俺と千歳は気がかりがあった。
『恐竜コーナー、あとちょっとだな』
「もうすでに、マンモスは恐竜じゃないからねえ……」
しかし、幼児の霊は昆虫標本満載のコーナーにも喜んで駆けていったので、杞憂だった。
「「「ちょうちょ! きらきら!」」」
「モルフォ蝶だねえ、これすごくきれいだよね」
構造色で光る青、すごくきれいなんだよな。
『カブトムシもたくさんいるなー!』
そんなこんなで、昆虫標本や現生生物の剥製なども楽しみ、博物館の1階をだいたい見て回ったら、お昼にちょうどいい頃合いだった。
『お昼、お子様ランチ食べるか?』
「「「たべゆ! えびふらいたべゆ!」」」
「よーし、それじゃ、レストラン行こうか」
そういう訳で、俺達は博物館併設のレストランへ向かったのだった。