テラーノベル
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■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。
・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第8話
題名:春を告げるお花見と、終わらない輪舞曲
ジャンル:日常・お花見ほのぼの
厳しい冬が終わり、今年もまた待ちに待った桜の季節がやってきた。
日帝の家の広い庭にある大きな一本桜は、今がまさに満開のピークを迎えている。ひらひらと薄ピンク色の花びらが優しく舞い散る下で、4人は大きなレジャーシートを広げてお花見を楽しんでいた。
「やっぱり、日本の春と言ったらこれだよね! お団子最高!」
イタ王が嬉しそうに声を弾ませ、ピンク、白、緑の三色団子を大きな口で頬張る。
シートの中央には、日帝が朝早くから腕によりをかけて作った豪華な三段重のお弁当が並んでいた。桜海老と筍の炊き込みご飯、ほんのり甘い卵焼き、そしてナチとソ連の胃袋を満足させるために用意された、特製の極太ソーセージと肉厚なミートボールだ。
「日帝、今年も素晴らしい出来栄えだ。この桜の色彩美と、料理の完璧な温度・調和。これぞ春における最高効率の合理的癒やしだな」
「ありがとうございます、ナチ殿。ソ連殿、ウォッカも良いですが、今日はお酒の代わりにこの桜茶をどうぞ。塩漬けの桜の花が開いていて、目でも楽しめますよ」
「うむ、いただく。……ほう、塩気と独特の香りが実によいな。だが日帝、これにウォッカをほんの数滴垂らせば、さらに完璧なロシア風サクラ・カクテルに……」
「ダメです」
「即座に却下だ、ソ連。貴様は風情というものをアルコールで薄める天才か」
日帝の笑顔の拒絶とナチの鋭いツッコミに、ソ連は「ちぇっ、手厳しいな」と大きな肩をすくめる。そのコミカルな様子を見て、イタ王がカラカラと喉を鳴らして笑った。
心地よい春の風がふわりと吹き抜けると、満開の桜の枝から一斉に花びらが舞い散り、まるでピンク色の雪が二人や三人の頭上に降っているかのような、幻想的な光景が広がる。4人の肩や髪に、小さな花びらがそっと止まった。
「綺麗だな……」
ソ連が、グラスを片手に目を細めて空を見上げる。
「ええ。桜は毎年同じように咲きますが、集まる私たちには、毎年少しずつ違う、新しくて温かい思い出をくれます」
日帝が、温かい湯呑みを両手で包み込みながら、しみじみとした声で言った。
「ねえ、来年も、再来年も……その先もずっとずっと、こうしてみんなでお花見しような!」
イタ王が、未来の約束を当然の権利のように口にする。
かつての歴史の中であれば、「永遠」や「未来」の約束など、国という常に揺れ動く不安定な存在の彼らにとっては、あまりにも儚く、残酷な幻でしかなかった。しかし今、この穏やかな庭にある約束には、誰もが信じられる確かな温もりがあった。
「……フン、貴様らが来年、あまり騒がしくしないと誓うなら、付き合ってやらんこともない」
ナチはわざとらしくそっぽを向きながら、新しいお団子を口に運んだ。顔が少し赤くなっているのは、春の陽気のせいだけではない。そんな不器用な照れ隠しは、もうここにいる全員に温かく見抜かれている。
「ははは! ナチが素直に『また来年も来たい』って言うまで、あと100年はかかりそうだな!」「100年でも200年でも、私たちにはいくらでも時間がありますよ」
日帝が優しく微笑み、ソ連が「よし、なら1万年でも10万年でも付き合ってやる! 団子のお代わりをくれ!」と豪快に笑った。
ひらひらと舞い散る桜吹雪の下、彼らの賑やかな笑い声は春の空へとどこまでも響いていく。
1年、10年、そしてこの先何万話経ってもずっと続いていく、彼らの新しく、愛おしい平和な歴史の1ページが、またここから新しく始まっていくのだった。
コメント
1件
もうこれ、読んでてじんわり涙出そうになったわ…🌸 桜の描写が映像的に浮かぶし、ソ連がウォッカ垂らそうとする場面とか「ダメです」からの流れで思わず笑っちゃった。 イタ王が「ずっとお花見しよう」って言うセリフ、過去があるからこそ重みがあって刺さった。ナチの照れ隠しも可愛いし、4人の空気が本当に温かい。 「何万話経っても」って地の文にも心がほっこりしたよ。来週も絶対読む!