コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
リクの目が光る。身体にまとわりつくXPの煌めきが、一瞬だけ脳を冴えさせる。
「弱点が……ひとつだけ、ある。背骨……ちょうど心臓の真裏……そこに”コア”がある」
「じゃあ……あたしが、回り込む!」
「俺、狙う。矢……全て、そこに集中」
「オーケー。時間を稼ぐ。絶対に、止めてみせる――!」
スキル:強度増幅(効果中)
一撃がセラフィムの装甲に直撃し、火花が散る。
「今のアイビー、ちゃんと強いぞ……!」
リクが再び体勢を立て直す。そして――
「俺の番だ。《スキル:解析補正》!」
リクのスキル《解析》は、対象の行動パターンと弱点を瞬時に洗い出す追加効果を発動。表示されたのは、セラフィムの「背中、左側装甲の継ぎ目」に微細な隙間があること。
「ロビン、今だ! 背中の左を狙って!」
ロビンは頷くと、弓に一本の矢をつがえる。
「爆裂矢、発射──!」
緑のフードを翻し、弦を引き切るロビン。その矢は分裂せず、ただ一本のみ。しかし放たれた瞬間、矢は重力を無視するかのように空間を裂き、一直線にセラフィムの背に突き刺さった。
一瞬の沈黙。
次の瞬間――
「ッッッ!!」
セラフィムが機械的な断末魔のような音をあげ、爆発的な火花を散らして吹き飛んだ。
煙が晴れると、地面には大きなクレーター。そしてセラフィムの残骸が燃え残っていた。
⸻
リク「……終わった、のか?」
ロビン「ハァ、ハァ……いまの矢……一回しか撃てない。あぶなかった、マジ。」
アイビー「はぁーっ……っつかれたぁ……! もう一発撃たれたら泣いてた……!」
笑いながらも、三人は地面にへたり込んだ。
そして、セラフィムが消えた場所には、輝く球体のようなものが残っていた――
XPオーブ。
そして、新たな通知がリクの脳内に響いた。
「おめでとうございます。スキル《戦術連携》を取得しました」