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コメント
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ああ、もう、このもどかしさ……! 好きなのに言えない、届かないってこんなにも切ないんですね。黈くんが耳を赤くするところ、翠くんが「みこちゃんは?」って聞き返すところ、全部が可愛くて胸がぎゅっとなりました。最後、指先を重ねるシーンは「それだけ」なのに「今までで一番大きな一歩」——この表現に全部詰まってるなあ。お互いの気持ちが確実に近づいているのが伝わってきて、続きが気になって仕方ないです!🌷
翠×黈 赫瑞茈桃
nmmnです。
お名前をお借りしているだけなので、
ご本人様の御迷惑を掛けないよう
お願いいたします。
あと一歩、近づけない。
赫「なあ、今日どこ行く?」
赫の一言に、リビングに集まっていた全員が顔を上げた。
黈「急やなぁ」
桃が笑いながらスマホを覗き込む。
桃「でも暇やったら、みんなでなんか食べに行く?」
瑞「賛成ー!」
瑞が真っ先に手を上げる。
茈「俺も行く」
茈も立ち上がり、黈もその後ろからついていく。
黈「じゃあ、すちくんも行こ?」
黈が振り返って言う。
翠「うん。みこちゃんが行くなら行く」
黈「……っ」
ほんの一瞬。
黈の動きが止まった。
黈「……そ、そっか」
それだけ言って、前を向く。
その耳が少し赤いことに、瑞は気づいていた。
そして、赫も。
茈も。
桃も。
もちろん気づいていた。
――この二人、絶対お互い好きやろ。
なのに。
当の本人たちだけは、あと一歩が踏み出せない。
帰り道。
みんなで歩いていると、自然と二組に分かれていた。
前には赫、茈、桃。
少し後ろに、翠と黈。
黈「……なあ、すちくん」
翠「ん?」
黈「今日、楽しかった?」
翠「うん。楽しかったよ」
黈「そっか」
それだけ。
会話が終わる。
黈は何度も横目で隣を見る。
翠はいつも通り優しく笑っている。
――もっと話したい。
そう思っているのに、何を話せばいいのか分からない。
一方の緑も同じだった。
隣を歩く黈の手が、少しでも近づくたびに意識してしまう。
本当は手を繋ぎたい。
けれど、自分から繋いだらどう思われるだろう。
そんなことを考えているうちに、二人の手は何度も触れそうになっては離れた。
それを後ろから見ていたこさめが、ついに我慢できずに口を開く。
瑞「……ねえ」
赫「ん?」
瑞「二人とも、手ぇ繋いだら?」
翠・黈「「え?」」
見事に声が重なる。
瑞「いや、だってさぁ」
瑞が呆れたように笑う。
瑞「さっきからずっと手ぇ当たりそうで当たってないやん」
黈「……」
黈の顔が一気に赤くなる。
黈「な、何言うてんねん!」
翠「こさめちゃん、それは……」
瑞「すちも否定しないじゃん」
翠「……」
赫「お前らほんま分かりやすいな」
黈「ちょ、なっちゃんまで!」
桃「まあまあ。二人のペースでええんちゃう?」
そう言って、桃は先に歩いていく。
黈は俯いた。
黈「……恥ずかしいやん」
翠「ごめんね」
黈「すちくんが謝ることちゃうやろ」
翠「うん。でも……」
翠が少しだけ黈との距離を縮める。
翠「俺も、みこちゃんともっと近くにいたいって思ってる」
黈「……」
胸が跳ねた。
けれど、翠はそれ以上何も言わない。
黈も何も言えない。
ただ。
今度は、離れなかった。
肩と肩が、ほんの少し触れ合っている。
それだけなのに、二人とも顔が熱かった。
みんなと別れ、二人きりになった帰り道。
黈「……すちくん」
翠「ん?」
黈「さっきの……」
翠「うん」
黈「……ほんまに、うちともっと近くにいたいん?」
翠は足を止めた。
黈も立ち止まる。
翠「……うん」
少しだけ照れたように笑って。
翠「みこちゃんは?」
黈「……うちも」
それ以上は言えなかった。
好き。
その一言が、喉まで出かかっているのに。
怖くて言えない。
翠も同じように、何かを言いかけている。
けれど結局、
翠「……じゃあ、今日はここまでにしようか」
黈「……うん」
二人とも笑った。
まだ、何も始まっていない。
なのに。
昨日より少しだけ近くなった気がした。
帰り際。
翠が小さく手を差し出す。
翠「……またね、みこちゃん」
黈はその手を見つめて。
少し迷ってから、そっと指先を重ねた。
黈「……またな、すちくん」
ほんの一瞬だけ。
二人の手が触れた。
それだけ。
それだけなのに――
二人にとっては、今までで一番大きな一歩だった。