ーそれから、数日後ーー。
………何事も、無かったかのように、日々は、過ぎていって……………。
ー私、朝日 未羽菜
(あさひ みはな)
は、晴れて、中学1年生の入学式の日を迎えることが出来た。
ー私の、担任の先生は………、
ー何と、「超」が付く程の、超絶 イケメン……!
くっきりとした、目鼻立ちに、前髪は、さらさらと、目元まで、かかっている。
ー唇は、ほんのりと、赤く、染まっていた。
ー先生の名前は、坂倉 悠翔
(さかくら ゆうと)
と、いうらしい。
「ー本当に、格好いいよね………!」
ークラスの女子達が、目をハートにして、囁き合っている。
「ーどうせ、俺らなんて………。」
ー彼女達の、反応に、クラスの男子達は、一斉に、ずーんと、両肩を落とした。
「ー……ええと、じゃあーー、
………自己紹介、して貰おうかな………!」
坂倉 先生の言葉に………、
ー出席番号が、1番の、女の子
明野 愛子
(あけの あこ)
ちゃんが、緊張気味に、椅子から、立ち上がった。
「ーは、初めまして…!
大宮 小学校から来ました、
明野 愛子
ーと、言います……!
私の、好きなものは…………」
…………ゴロゴロゴロ………!
(………こんな天気の良い日に、
………雷………?)
ー震える声で、自己紹介を続ける、明野さんの言葉を聞きながら、聞こえてきた、雷の音に……………、
ー私は、眉を潜めて、窓の方を、見つめる。
ー窓から見える、空はーー、
不思議と、澄んでいて、雲1つと、無い。
(………あぁ、良かったぁ………!
ー私の、空耳だったんだ…………!)
ー私が、ほっとして、窓から、視線を逸らそうとした、刹那ーー、
………ドサドサドサッ………!!
ー4つの、黒い影が、空から、真っ逆さまにーー、落ちていくのが見えた。
「………えっ………!?」
ーあれって、まさか………、
ー悪霊、なのでは……………っ…………!?
ーその影達が、
「朝日 神社」
の方へと、落ちていくのをーー、
………私の目が、はっきりと、捉える。
(………ど、ー………どうしようっ……!?
………ーこれは、まずいよっ………………!!)
ー私が、窓の方を、若干、身を乗り出すようにして、見ているとーー、
「ー次の人、
ーええっと、朝日 さん?
ー自己紹介を、して貰おうかな………?」
ー坂倉 先生が、そんな私に、呼び掛けてきた。
(………自己紹介、ですって………?)
ーこっちは、正直、そんなことをしている暇は、無いんです…………っ…………!!
ー心の中で、そう反論した後ーー、
ー私は、坂倉 先生に向かって、
「ー先生、申し訳ありませんっ………!
ー私、今から、早退します………!!」
ーと、深々と、頭を下げると………、
………ダダダッ………!!
「ーえっ、ちょ、おいっ………!?」
ー先生の声も、皆の声も、完全に無視して、教室のドアまで、猛ダッシュ…………!
ーそして、そのまま、校門を飛び出し、
「朝日 神社」
まで、一目散に、走るのだった………………。
(………急がなきゃ………!)
ーあの影が、本殿に居る、お爺ちゃんを、襲っていたり………、
ー参拝者を、傷付けていたりしたら…………!
ーそうなったら、本当に、大変なことになる………!
ー私は、息を切らしつつ、
「朝日 神社」
への坂道を、駆け上がる。
ー嫌な予感が、的中したことをーー、
私は、ひしひしと、感じていたのだった………………………。
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