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「まさか殿下も聞いてらしたとは……あはは。嫉妬する先輩たちから逃げるために言っただけで、私のような者が殿下の妻になどと考えるだけでも畏れ多いことでして……」
こわい、こわい、こわいぃぃ!!
確かに私のような女に『御免だ』なんて上から目線で言われたら、何様だって話だけど。でもこれは煜峰殿下に限った話ではなく、房事出来ないのが嫌って話で……!
「それに正しくは殿下ではなく宦官です! 宦官の妻になったらほら、あっちは期待できないといいますか、一生お預けを食らうといいますか……ねぇ?」
麗霞の手首を掴む手に、一層力が入った。
「だだだだって私、春画家ですよ?! 1度くらいは絶頂というやつを経験したいではないですか」
「ならば試してみようか? 宦官では女を悦ばせられないのか」
「へ? ひゃぁっ」
手首をそのままクンっと引かれ、座っていた煜峰の上に乗っかってしまった。
それだけだったならまだいい。
頭の後ろに手を添えられ、導かれるようにして煜峰の唇の場所へ麗霞の唇が着地した。
「ふ……んんっ」
不意打ちをくらい、閉じる間もなくぬるりとしたものが口の奥深くまで入ってきた。
突然起こった出来事に理解が追いつかない。
どうしたらいいのか分からない麗霞を誘うように、舌で口の中をなぞられる。
何これ……。
以前された、唇が触れ合うだけのキスとは違う。
幾度も角度を変えられ、啄まれ、なぞられる。
息をするのもやっとで、何も考えられない。
「嫌なら拒め」
ようやく唇を開放されたと思ったら、ぼんやりとする頭に煜峰の声が低く響いた。
嫌?
違う。驚いているだけで嫌ではない。
むしろその先をもっと知りたい。
かと言っておねだり出来るほどの勇気はなく、煜峰の上に乗ったまま小さく首を振り返した。
「あんな絵を描いているのに、今更恥ずかしがるのか?」
呆れたようにクスリと笑われた。
仕方がないじゃない。初めてこんなことされたんだもの!
真っ赤になりながら俯く麗霞の首筋に、つぅっと濡れた舌が這う。
「ん……」
首筋から耳へ、耳から鎖骨へ。
何度も焦らされて、その唇は鎖骨の下の膨らみを啄んだ。
「――っ」
思わず声を上げそうになり、既のところで踏みとどまる。
ここは寝所じゃない。執務室だ。
いつ誰が来てもおかしくない。
皇子のいる部屋に、無作法にも突然誰かが入ってくるなんてことはないだろうが、それにしたって――。
「で、殿下」
「うん?」
「こんなところでその……」
チラリとドアの方に目を向けただけだったが、麗霞が何を言いたいのかを察した煜峰は「あぁ」と言って笑ってみせる。
「こういう状況に憧れていたのだろう? むしろ好都合ではないか」
「え゛」
「何をとぼけている。執務室でという状況の絵を描いていただろう」
「あ……」
煜峰に麗霞の秘密がバレてしまったあの日に持っていた春画。確かにこんな場面だった。
「あの絵にもっと近くするならこうか」
何を思ったのか煜峰は、麗霞の身体を持ち上げて卓の上に乗せた。
「ほら、全く一緒だろう?」
はだけた襟元に再び顔を近づけた煜峰に、胸の頂きを舐められ揉みしだかれる。
まさか自分が描いた春画と同じ状況にさせられるとは。
「へっ……変……態ぃ……っ!」
「どっちがだ」
上半身にばかり気を取られていたが、いつの間にか煜峰の片手が脚間にあった。
「あ……」
割れ目に沿うように、そっと指で撫でられなぞられる。くすぐったいようなその感覚に、ぐっと唇を噛んで声をかみ殺す。そんな麗霞の様子を面白がるように、煜峰はゆっくりと指を動かし愛撫した。
焦れったくて、もどかしくて、体に熱だけがこもっていく。
「も……もう……」
「もう?」
その先はとてもじゃないけど言えない。
完全に遊ばれてしまっているのが分かっているのに拒むことも出来ず、足をモジモジと動かすことしか出来ない。
「素直に口にすれば良いものを」
「あんんっ!」
指が一本、難なく中に入るには十分な程に濡れていた。
煜峰が麗霞の中を撫で、挿抜する度に卑猥な音が鳴る。
いやらしい音がするのは知っていたし、想像したこともあったけれど、実際にくちゅくちゅとその音が耳に響くと羞恥心でどうにかなってしまいそうだ。
どこがいいのかと探りながら慎重だった指の動きが、麗霞の反応を見て急に激しくなった。まるで見つけたとでもいうように。
「や……ぃやあっ……」
勝手に脚がカタカタと震えて痙攣する。
涙で視界が滲んで、霞む。
これ以上はもう怖い。
「だっ……ダメです……もう……!」
「それではやめて欲しいのか欲しくないのか分からないな」
確かに。
ダメといいながら煜峰にしがみついて、脚の間をびちょびちょに濡らしてしまっていては説得力に欠ける。
麗霞の中に入る指がもう一本追加されたかと思ったら、胸を揉んでいた手がするりと下へ移動しきた。熱い小さな膨らみをなぞられた瞬間、もう声を我慢できなくなった。
「やめ……――――っ!!」
叫び声は煜峰の口の中へ飲み込まれた。
ビクンっと足が引き攣って、頭の中が真っ白になり何も考えられない。
全身の力が抜けて呆けてしまった麗霞の身体を、煜峰が支えてくれた。
「い……今私……」
イッてしまった?
口角を僅かに上げた煜峰は、涎で濡れた麗霞の口元を指で拭うと、自分の衣服を整えた。
「随分と衣服を汚してしまった。この後の仕事はもういいから、体を拭くなり着替えるなりしてこい」
「は……はい」
乱れた卓の上を整えることも忘れ、麗霞は衣を手早く整えると、自分の部屋へと戻って行った。
#異世界転移
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コメント
1件
ああ、ついに来ましたね…!このエピソードは、麗霞の「絶頂を経験したい」という本音と実際に経験するときの戸惑いが丁寧に描かれていて、とても引き込まれました。自分が描いた春画と同じシチュエーションにさせられる皮肉な展開に思わず笑っちゃいましたし、ユーフォン殿下の「嫌なら拒め」という言葉に、ちゃんと選択肢を与える誠実さを感じました。最後の「ドアの外で待っている」という気遣いも、彼の優しさが滲んでいて素敵です。心理描写がとてもリアルで、麗霞の感情の動きに完全にシンクロして読み終えました。次が気になりますね!