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私の名前はえび。
ある日突然、タラと入れ替わってしまった。
「行ってきまーす」
今日はタラと入れ替わってはじめての学校。
タラと入れ替わる前日、タラはクラスの女子のことを話していた。
クラスの女子に目をつけられたらしい。
タラと入れ替わるという非現実的なことを味わったので、クラスの女子の嫌がらせを受けるのはそんなに怖くなかった。
「飯森さん…おはよう」
いつも挨拶をしてくれる隣の席の女の子は、
タラが憧れている加藤さん。
「か、加藤さん?おはよう…」
本当に加藤さんなのか心配になり、確認するように名前を呼んだ。
「あれー?」
加藤さんの元気がないことに気づいた瞬間、
後ろから大きな声がした。
「ねえ加藤さん、飯森さんとは話さない方がいいよ」
これが例の鈴木と七海だろう。
ポニーテールをしているのが、鈴木さん。
髪を下ろしているのが、七海さん。
「ねえ飯森さん」
七海さんの横でずっと黙っていた鈴木さんが口を開いた。
「うんこ」
_やばい!
なに?と聞き返そうとしたのに、つい口癖で言ってしまった。
「は?」
「あ、ええと、うんこ!」
タラの体でこんなこと言ったらだめなのに、
つい緊張して言ってしまった。
「はあ、なに?気持ち悪いんだけど」
そりゃそうだ。
「もういい、行こ」
七海さんが鈴木さんの腕を引っ張って行ってしまった。
タラのいじめを無くすために、言い返してやろうと思っていたのに…
「飯森さん、うんこ…って…」
加藤さんに聞かれていたらしい。
タラの憧れの人なのに、タラごめん。
タラのためにも、いい感じに誤魔化そう。
「あ、ごめん今日朝からいっぱい出てさ、感動してたからつい、うんこしか言えなくて」
「え….そ、そうなんだ…」
全然いい感じに誤魔化せなかったみたい。
まだ時間があったので、タラの友達のシナモン女に会ってみることにした。
「あ、いいもりー!」
「シナモン女、おはよう」
そういえば私、シナモン女の本当の名前を知らなかった。
「シナモン女?なにそのあだ名!」
「あ、ごめん!」
「めっちゃ可愛いじゃん!今日からそう呼んでほしい!いいもりセンスあるね」
怒られると思ったけど、シナモン女というあだ名を気に入ってくれたようだ。
「こんな時間ギリギリに、なんの用ー?」
「シナモン女に会いたかっただけだよ」
時間ギリギリらしい。早く教室に戻らないと先生に怒られるかもしれない。
「え、なにそれあんた本当にいいもり!?」
冗談っぽく口に手を当てるシナモン女は楽しそうに笑っていた。
「ごめん、教室戻るね!」
タラはシナモン女と普段どんな会話をしているのか、また帰ってタラに聞いてみよう。
タラと入れ替わってはじめての学校は、なんとかやり過ごすことが出来た。