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ピーンポーン
俺の家のインターフォンが鳴る。
(4時か……)
この時間に誰なんだろう、
俺はそう思いながら、何故かそれに出る気は起きずその音は無視することにした。
ドンドンドン
インターフォンを無視したからだろうか。
勢いよく扉を叩く音が聞こえる。
(そろそろか、)
俺はそう思い、玄関に向かった。
「何ですか?」
「こんにちは、桜前警察署のものです」
ピピピッピピピッピピ
部屋にはうるさい目覚まし時計の音が鳴る。
俺はその音で夢から覚めた。
「ああ゛もう゛ツなんだよ゛」
俺は枕を壁に向かって勢いよく投げる。
俺がこうした理由はただ一つ。
二日続いておかしな夢を見ているからだ。
それだけならまだしも、
とてもリアルな夢なのがおかしいのだ。
その夢のせいでしっかり寝れた感覚がしない。
リアルな夢といっても不思議な事が起きている。
例えば、今日の夢で俺はインターフォンを無視していた。
現実でそんな事をしたら親父は俺に殴りかかってくるのに、
他にも…
(ダメだ、考えるな、)
俺はこれ以上考えても無駄だと思い、学校に向かった。
夢の事が忘れられず、ただひたすらに歩いていたらいつの間にか学校に着いていた。
親父は寝ていた。
だから、家からはスムーズに出る事ができた。
俺は教室に向かう。
教室に着くと俺の机の周りは俺とは程遠い現実を送る奴らが占領していた。
俺はその光景を見た時、自分の居場所が分からなくなり、その場から逃げることにした。
俺は自分だけの秘密基地に来た。
階段下の誰も来ない、物置状態のところ。
俺はそこに座り、壁をぼーっと見つめることにした。
気付くとお昼休みのチャイムが鳴っていた。
俺はここで食べる気にもなれず、裏庭に向かった。
(ああ、いい天気だな)
今日は太陽が元気良く出ている日だった。
俺は消費期限なんてとっくに過ぎている菓子パンを取り出す。
(ここなら食べれるな)
俺はまだカビていない所を食べようとする。
「あ!居た!早見!」
俺は名前を呼ばれ、声がした方に振り返った。
「お前なんで、」
そこには息を切らした永目が居た。
永目は片手に弁当箱が入っていそうな巾着袋を持っている。
(自慢か……)
「早見、一緒に食べよ!」
「は、なんで」
「うーん、理由はないなぁ、ほらほらそんな事気にせずにさ、早く食べよ!」
永目にそう言われ、俺は片手にあるパンを握る。
「永目は菓子パン?」
「ああ、うん」
「そっか、すごいね、僕はお腹減っちゃうからな」
永目はそう言いながらお弁当を広げ始めた。
俺は永目の前で自分の昼食を食べる事に躊躇する。
普段なら、カビているパンを見せて、俺から離そうとするのに永目にはそれが出来なかった。
「食べないの?」
そう言う永目に俺は反抗することが出来なかった。
俺は黙ってカビたパンを握っている手を見る。
「もしかして、それ?」
俺は黙って頷く。
「分かった、」
永目は暗い声でそう言った。
俺はその声を聞いた途端、弱さを見せた事にとても後悔する。
(また、失う、)
でも、永目は俺が予想しているような事はせず、弁当箱の蓋におかずを載せていった。
俺はその様子を黙って見ることしか出来なかった。
「はい、出来た」
「ぇ?」
「これあげる」
「いいの?」
「うん!はい、いただきます」
申し訳ないと思いながら、ここ最近何も食べていなく今の食欲に負け、貰ったおかずを俺も食べ始めた。
久しぶりのちゃんとしたご飯はとても美味しくて、俺は無我夢中で食べる。
「あ!そうそう、今日早見のこと夢で見たんだよね」
「は?」
永目は何気なく言ったであろう言葉。
俺にはとても重い言葉に聞こえる。
(確認したい、どうしても、)
俺はそう思う。
「永目、俺早退する」
「え、なんで、」
「じゃあ、」
俺は永目に弁当箱の蓋を返し、校門に向かって走った。