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_放課後_
「ねぇ、村本さん」
全ての授業が終わって、帰りの支度を終えた頃、クラスメイトの川島さんたちが私に声をかけた。
「早島さん達…?どうしたの?」
「あのさ…、今日の放課後一緒にカラオケ行かない?」
「からおけ?」
別にいいけど………
……ぁ、でもカラオケなら、私には一緒に誘いたい人がいる!
「ならさ!しーちゃんも誘っていい?」
「は???」
「……ぇ?」
行き成り、空気がピンッと冷たくなったような気がした。
それくらい、川島さんの「は?」は威圧的だった。
周りの女子が川島さんの肩に手を置いて囁く。
「やっぱり村本さんさ……」
「やめておこうよ…」
「頭おかしいって……」
私を冷たい目で眺めながら、ひそひそと、声を上げる女子達。
川島さんは、一瞬苦い表情をした後、黙って私に背を向けてしまった。
「なに……急に……」
私がしーちゃんの名前を出したことがそんなに可笑しいの?
少しむかむかしてきた。
やっぱり、クラスのみんなはしーちゃんを避けてる。のけものにしている。
なんでしーちゃんがそんな扱いされなきゃいけないの?
しーちゃんが何をしたっていうの?
しーちゃんは私の大切な友達なのに!!!
―帰り道―
「…ってことがあったんだよ!みんなひどくない!?」
帰り道、私はしーちゃんに川島さんの件を話した。
黙っている気にはなれなかったのだ。
しーちゃんは、黙ってその話を聞いてくれた。
どこか虚ろな目で、私を眺めていた。
「あーもー!!なんでしーちゃんがそんな目に遭わなきゃいけないのさ!」
苛々して、地面にあった空き缶を蹴っ飛ばす。
空き缶は私のつま先に弾かれて目の前の電柱にこつんと当たった。
「…あれ?」
空き缶があたった電注になんとなく目をやると、その足元に花が飾られていることに気づいた。
白い綺麗な花だ。
「!、ねえしーちゃん!綺麗な花があるー!」
駆け寄って花を屈んでみる。
どこか、ほのかにいい匂いがした。
「ねえしーちゃんっ」
唖然とする幼馴染を見つめる。
「お花きれいだね!」