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その夜は、怪我の痛さで眠れず病室で話しながら過ごした。
松井くんって、なんか居心地がいい。
野球の話を聞いたり、バレエの話を聞いてもらったりして一夜を明かした。
そして、いつの間にか寝ていた。
次の日、車椅子の音で目が覚めてその日はずっとぼーっと過ごしていた。
「あと1週間もあれば治るから、安静にしてようね」
看護師の声すらもキンキンする。
なのに何で私は昨日、松井くんと話して寝れたんだろうか。
他の人に出すサインとは違うことに、私は気づかなかったわけではない。
私を守ってくれた彼に特別な感情を抱いてしまったのかもしれない。
そんな自分が少し怖く、不安に思いながらもベットでおとなしく過ごした。
そういえば、松井くんはバレエのことを決してバカにせずうんうんと聞いてくれたな…
男子がバレエに興味を持ってくれたのは初めてだった。
それからずっと松井くんのことを考えては違うと否定したい気持ちになって、自分の感情が訳わからないことになっていた。
その気持ちが伝わっていたのか、退院するまで彼は病室に訪れなかった。
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