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うわああ、今回の一斗くん、めっちゃ嫉妬してて可愛かった…!「この子、俺のだから」って学校で手繋ぎながら言い放つとか尊すぎるでしょ。普段余裕ある一斗くんが「かわいいって言われたの嫌だった」って拗ねてるギャップにもやられたわ。ラストの「好き」連発と照れる実瑠の破壊力、確かに無理だわ俺も顔覆う。玲奈が周りでツッコミ入れてくれるのも良いアクセントになってたなあ。ラブラブ全開だったけど、もっと見たいと思っちゃった!
実瑠は自覚していなかった。
付き合い始めてから、自分がどれだけ変わったかを。
以前は近寄りがたい美人だった。
頭が良くて、生徒会長で、隙がない。
男子たちは憧れていても話しかけられなかった。
しかし今は違う。
笑うようになった。
柔らかい表情をするようになった。
そして元々整った顔立ちだったこともあり、一気に人気が出始めた。
当然。
本人だけが気づいていなかった。
⸻
放課後。
駅前。
実瑠は本屋から出てきたところだった。
すると。
「ねえ。」
知らない男に呼び止められる。
大学生くらいだろうか。
「暇?」
「いえ。」
「じゃあこれから遊ばない?」
「行きません。」
即答。
しかし相手は引かない。
「そんなこと言わずにさ。」
「興味ないです。」
「彼氏いる?」
実瑠は少し考えて答えた。
「います。」
これで終わると思った。
しかし。
「別に彼氏いてもいいじゃん。」
男は笑った。
「友達からでもさ。」
「結構かわいいし。」
実瑠は困る。
こういう人の対処法がわからない。
「だから。」
断ろうとした時だった。
後ろから腕を引かれる。
「会長。」
聞き慣れた声。
振り向く。
一斗だった。
笑っている。
笑っているのに。
ものすごく怖い。
実瑠は初めて見る表情だった。
「一斗?」
一斗は実瑠を自分の方へ引き寄せる。
肩が触れるほど近く。
男が少し眉をひそめた。
「彼氏?」
「そうです。」
一斗は笑顔で答えた。
しかし目は笑っていない。
「何か用ですか?」
男も負けじと笑う。
「いや、ちょっと話してただけ。」
「そうですか。」
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ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ貓丸
一斗は実瑠の肩に手を置いた。
「この子、困ってたので。」
空気が変わる。
男も察したらしい。
「じゃあいいや。」
そう言って去っていった。
⸻
男の姿が見えなくなった後。
実瑠はほっと息をついた。
「助かった。」
「……。」
返事がない。
見ると。
一斗はまだ不機嫌だった。
「どうしたの。」
「別に。」
嘘だった。
わかりやすいくらい不機嫌だった。
「怒ってる?」
「怒ってない。」
「怒ってる。」
「怒ってない。」
完全に怒っていた。
⸻
帰り道。
一斗は珍しく無口だった。
実瑠は首を傾げる。
「なんで機嫌悪いの。」
「悪くない。」
「悪い。」
「……。」
沈黙。
しばらくして。
一斗がぽつりと呟く。
「嫌だった。」
「何が。」
「かわいいって言われてたの。」
実瑠は瞬きをした。
「そこ?」
「そこ。」
「別に知らない人だし。」
「それでも嫌。」
即答だった。
実瑠は少し驚く。
一斗は普段余裕がある。
誰にでも優しい。
だから嫉妬なんてしないと思っていた。
しかし。
今日は違った。
「会長。」
「なに。」
「もっと警戒して。」
「してる。」
「してない。」
「してる。」
「してない。」
子供みたいな言い合いになる。
⸻
翌週。
今度は学校だった。
下駄箱。
一年生の男子が待っていた。
「先輩!」
「?」
「好きです!」
人生二度目の告白。
周囲がざわつく。
実瑠は固まった。
「ごめんなさい。」
すると男子は慌てて言った。
「彼氏いるの知ってます!」
「じゃあ。」
「でも諦められなくて!」
周囲の女子たちが盛り上がる。
そこへ。
たまたま通りかかった一斗が見えた。
笑顔。
でも怖い。
ものすごく怖い。
男子も察したらしい。
「あ。」
一斗は実瑠の隣に立つ。
そして。
自然な動作で手を繋いだ。
「え。」
実瑠が固まる。
学校では初めてだった。
一斗は男子を見る。
「ごめんね。」
笑顔。
でも圧がすごい。
「この子、俺のだから。」
男子が真っ青になる。
「す、すみません!」
逃げた。
⸻
その日の放課後。
生徒会室。
玲奈が爆笑していた。
「浜瀬先輩。」
「なに。」
「独占欲やばくないですか?」
「普通。」
「普通じゃないです。」
即答だった。
実瑠も少し思っていた。
しかし。
その時。
一斗が急に言う。
「会長。」
「なに。」
「好き。」
「急に?」
「確認。」
「何を。」
「俺のこと好き?」
実瑠は顔を赤くする。
玲奈がいる。
生徒会室だ。
なのに。
「好きだけど。」
小さく答える。
一斗は固まった。
玲奈は爆笑した。
「先輩負けてますよ。」
「無理。」
一斗は顔を覆う。
「その破壊力は無理。」
実瑠は意味がわからない。
でも。
そんな二人を見ながら玲奈は思う。
やっぱりお似合いだな、と。