この社会を崩す者には【教育】を
「この今、今のこの社会、僕たちが今いるその空間は全て僕たちが作り上げてきた【社会】によって成り立っているんです。
何を言っているのか分からないのも仕方ないですね。 なぜなら『日常と化している』から。
考えてみてください。
例えば、100円のお菓子をレジに持って行った。しかし、なぜか108円払うことになっているでしょう?
この余計に払う8円が社会を成り立たせるために必要であって、言い方を変えれば、僕たちがいないと社会は成り立てないんです。『必要』とされているんです。
さてと、前置きが長くなってごめんなさい。まあつまり何が言いたいかというと、
この社会を崩すクソ野郎が蔓延っている って事
人々の生活の見えないところで悪事を働き、社会を乱すものは一定数存在し、大抵警察のお世話になります。ですが、その警察たちのの目を掻い潜って生きているものもいるんです。」
先ほどの何も繋がってないまとめを笑顔に満ちた顔で解説したとは想像もできない、機械のように固まった表情筋から発せられた一言で、俺は本能的に察知した。体中 をバタバタと忙しなく動かすが、俺は綱のような頑丈な紐で椅子ごと縛られているため、焼け石に水のような状態だ。
「テメエ、俺をどうする気だ!!」
威圧をかけても全くビビらない。むしろ…
「笑ってんのか…?」
笑っていた。目から下は不織布マスクで隠されているが、目は確かに細くなっている。細くなった瞳には俺がハッキリと映っている。
「テメエ…!!」
「なんで自分がこうなったか、まだ分からないんですか?」
少々温かみのある声が俺に聡そうとしているのが心底気色悪い。それに加えてお高くとまっているようなスーツは大抵公務員だ。俺にとって公務員は力でねじ伏せられるカモ。そんな奴にこんな風に屈辱的な扱いを受けているのは心底腹立たしい。
「…殺してやる」
「…」
「くそスーツ野郎!!目は死んでるつーことは、仕事のストレスか?無様だよなー公務員はお!!頑張って手に入れた金を俺らにブン取られるんだから!!」
「…」
「『頑張った』?、『努力した』?うるせえんだよ!!俺らは努力した奴らの配給を俺らのもんにしているんだからのよお!!」
ギャアギャアと暴言を喚き散らす彼にはどうやら本当に【解っていない】らしい。しかし、『俺だけ』って言っているという事は自覚しているのか?まあ、答えは決まっている。
「これは…」
「あ“ぁ”⁉︎」
「教育してあげなければ」
「…は?」
僕は内ポケットから棒状のものを取り出し、思い切って振り下げると、更に細い棒がカチリと音を鳴らして現れた。男の顔色がみるみる青くなる。自分がされる事が理解できたみたいだ。j
「や、やめろよ…」
男は小さく抵抗の意を表したが、そんな事を僕が聞くはずもない。そもそも、彼は 【他人のやめてを素直に聞けなかった人】 なのに
どれぐらい時間が経ったのだろう。彼は全身が赤く腫れており、皮膚が裂けて血が流れているところもある。辺りが赤い。顔は虚ろで涙を流したのだろう。涙袋が大きく腫れてしまっている。
「う…あぁ………」
まだ微かに息があるみたいだ。
「たす、け…」
命乞いとはまあさっきまでの威勢は何処にやら。だが先程とは正反対の弱々しい彼からの命乞いも教育の賜物。僕はとびきりの笑顔で彼を見送ろう。
僕は用意していたハンマーを手に持ち、頭上高く上げる。
「さあ、地獄に堕ちよう!!」
僕は思いっきりハンマーを振り下げた。
次のニュースです。先月頃から、⚪︎県の△市内の高校生、竹下豪(17)さんが、行方不明となっております。少しでも情報を探るために警察は周りの住人に任意で話を聞いたところ、「人に平気で暴力を振るい、金目のものを奪い取るような人だった。」
という話が多数あり、豪さんに強い恨みを持ったものによる誘拐という線で捜索を進めています。
リモコンを手に取りテレビを消して、静寂が包まれた薄暗い部屋の中、残った食事をゆっくりとたしなむ。少しでも、ほんの少しでもいい…僕は今日も悪を成敗した。これで、また皆が望む理想の社会に一歩近づけられた。
【教育】を行い、より良い社会の実現に近づける。それが教師の役目なんだから
コメント
2件
好きです!!!!! もう…語彙力無くなるほどには…