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あれに突然呼び出されたのは一週間前だった。丸一日休暇をやるから、自分の恋人と寝てほしい。上司は言った。当然俺は断った。なんでこいつの変態趣味に付き合ってやらなきゃいけないんだ。つーか恋人って誰だよ? しかし、奴が小切手と万年筆を俺に差出し、好きな額を書いたらいいと言ったので俺は揺れた。そして、条件を呑んだ。今日という日が近づくごとに憂鬱になったが、約束通り振り込まれた額は、俺に微笑みかけてくれている。

バスルームから出ると、あのクソ上司の恋人とやらは、心底嫌悪した目つきで俺を睨んでいた。

「まだ何も説明していない」

「あんたを好きにしていいって聞きました」

「きみにはしてもらいたいことがあるんだよ。初めは僕の指示に従えと言われなかったのか」

そういえばそうだった気もする。ソファに座った彼はアタッシュケースを開けた。

「電源を切って、スマホをここに入れて。何か持ってないよね? 録音とか、録画ができるもの」

「あんたは?」

「……。早くしてくれ」

指示に従う。彼はデジタルカメラを取り出し俺に手渡した。

「なんですか?」

「これで、その……してるときに、僕を撮ってほしい。終わったら返して」

「……へえ、そうなんですね」

にわかに興奮してくる。

「これ見て盛り合うんですか」

カメラを指でとんとんと叩く。他の男とのハメ撮り見て、また豚と獣姦するんですか、とは言わないでおいた。俺を睨みつけてくれることを期待していたのに、眉を下げて悲しそうに俯いた。

「違うと思う」

「え?」

「シャワー浴びてくるけど、いいだろ」

「あー、はい」

フェラ顔とか、突っ込まれて感じてる顔とか何枚か撮ってやった。最初の夜はただそれだけで終わった。

その夜以来しばらく上司からの音沙汰はなかった。彼も彼で、素知らぬふうで仕事をしている。俺に話しかけてくるのときもあくまで平静だ。彼の澄まし顔はめちゃくちゃ笑えた。あんなにエロいツラでチンポをねだってきたくせにな。

そんなことも忘れかけていた頃、また上司に呼び出された。

夜はコアントロー(全5話)

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