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カメラは今日はいらない、と彼は言って、前回と同じように俺からスマホを没収した。

代わりに俺に煙草のボックスを手渡した。開けてみたが、なんの変哲もない煙草だ。……若干シワがついていること以外は。

「これって」

「うん。野菜。今日はバーベキュー」

彼は悲しげに笑っている。

「あの人が仕入れてくるのはすべて本物だよ。で、ここにある錠剤が、抜けてきたときの最悪な気分をマシにする薬。これ使ってセックスしてこいだって」

怖い? と彼に尋ねられたが、俺だって大学のときにやったことがあるし今更怖くもなんともない。

すぐにやってきた陶酔感のなか、二回セックスした。だんだん食欲が湧いてきてひたすらルームサービスを頼んだ。ふらふらしながらシャンパンをラッパ飲みして、口移しで彼にも飲ませてまたセックスした。

それからはやけに詩的な気持ちになって、二人で映画チャンネルを回し、シラフじゃ絶対に見ない恋愛映画なんかを見た。失恋した記憶を消す海外の映画で、彼はそれを見て「絶対に忘れたくない」と呟いた。

俺は彼より先に眠ってしまい、起きると朝だった。先に帰っていると思ったのに、彼はまだベッドにいた。なんで帰らなかったのか聞いたら、きみがいたから、と返された。


彼と寝るのは大体月に一回だった。

好きな奴には絶対できないであろう欲望を、彼で解消する。そしてそのたびに大金が振り込まれた。俺はストレス解消ができて良いし、奴らもプレイの幅が増えて良いな、はじめはそう考えていたが、三度目、四度目の夜を終えたあたりから、俺にはどうにも奴らの仲が健康的であるように思えなくなっていた。

彼らは俺のいないところで頻繁に口論をしている。理屈ではなく、雰囲気で、彼らの関係がもう終わっていることに気付いた。

上司は苛立って彼に当たり散らす。彼は何か言いたいのをぐっと堪えて下を向いている。俺はなにをしているんだろう。上司と欲望の言いなりになって、ただ傍観しているだけの俺は。

夜はコアントロー(全5話)

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