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慶応4年(1868)6月25日
京都
坂本龍馬「坊主…おまんも来るかえ?」
藤村歳真「どこにです?」
坂本龍馬「ん?山」
藤村歳真「なぜ?…」
坂本龍馬「わしは今、命を狙われてる身じゃ、それに…今おまんがわしから離れないと斬られるぞ、わしは山に来ることは勧めはせん」
藤村歳真「何を言ってるんですか?山に行きますよ、僕は龍馬さんといますよ」
坂本龍馬「………わしは勧めんぞ、おまんのその力で何ができる?剣も習ったことも無いような坊主が…」
藤村歳真「見かけで言わないでください、自分…人殺したことあるので」
坂本龍馬「………そうか…なら…一緒に戦ってもらうがぜよ」
そして山に入り追っ手が追ってきた。
坂本龍馬「おまん…武器は持っとるか?」
藤村歳真「はい、いちよ短剣を…」
坂本龍馬「そうか…なら出来るだけ
わしから離れるではないぞ」
藤村歳真「はい」
坂本龍馬「ぐっ!」
藤村歳真「龍馬さん!」
坂本龍馬「向こうは…
銃を持っちょったのか…」
坂本龍馬は足を撃たれ、崩れかける。
藤村歳真「龍馬さん!背中に……どうぞ! 運びます!」
坂本龍馬「……すまんのう」
藤村歳真は坂本龍馬を背負うが足場が悪く滑りかける
藤村歳真「わっ!
すいません、大丈夫ですか!」
坂本龍馬「わしは平気じゃ…おまん
こそ怪我ぁしちょらんか?」
藤村歳真「うちは大丈夫です…
怪我なんて…」
追っ手「いたぞ!」
藤村歳真「大丈夫です !
必ず逃げ切りますので…大丈夫です…」
坂本龍馬「………わしを置いてけ…」
藤村歳真「嫌です!」
坂本龍馬「…………
おまんに何ができるがじゃ。
剣をろくに習った事も無いおまんみたいなガキんちょが………わしを助けれると思うちゅうがか?」
藤村歳真「うちは………
龍馬さんを置いていきません」
必死に坂本龍馬を抱え走る
坂本龍馬「どういてじゃ…どういておまんはそこまでわしを…どういておまんらは…」
藤村歳真「どうしてでしょうかね」
坂本龍馬「おまんは…あいつに似ちょる……あいつ言うても知らんかのう…」
藤村歳真「土方さんの事ですか?」
坂本龍馬「知っちょるのか?」
藤村歳真「はい、龍馬さんを助けるのも命令であってうちの意思でもあるので」
坂本龍馬「そうかえ!そうかえ、そうかえ、土方はんの命令かえ!」
藤村歳真「何か嬉しそうですね」
坂本龍馬「そうかえ?」
藤村歳真「はい、楽しそうです。龍馬さんはうちが新選組で嫌じゃないんですか?」
坂本龍馬「どいてじゃ?」
藤村歳真「隠してましたし…それに…土方さんと話をしてるのは知ってますが、敵同士でしょう」
坂本龍馬「わしは土方はんを敵やと
思っちょらん、
わしは…土方はんの事を好いとる」
藤村歳真「………そうですか…うちも坂本龍馬も土方歳三も好きです…」
坂本龍馬「……………」
藤村歳真「りょ!龍馬さん!何ですか!」
坂本龍馬「なぁ坊主…おまん…おなごか?」
藤村歳真「ばっ!…か、もう分かってる話じゃなかったんですか!?」
坂本龍馬「今、知った…」
藤村歳真「だ…だからと言って…その…胸はいけませんよ!」
坂本龍馬「わしが触りとうて触っちゅう訳じゃないちや」
藤村歳真「じゃあどうしてモミモミしたんですか!最低ですよ!」
坂本龍馬「念押しぜよ」
藤村歳真「念押ししなくていいです!……山…下りましょう」
坂本龍馬「どういてじゃ…?」
藤村歳真「今…西本願寺周辺が見えました、多分西本願寺まで来てしまったのだと思います、ですから、西本願寺に逃げましょう、追っ手は今、見えませんので、敵が敵の屯所にいるとは思いませんしね」
坂本龍馬「………おまん…アンコがええのう」
藤村歳真「…は?え?アンコ?
アンコって?何?」
坂本龍馬「地口じゃ、知らんかえ?」
藤村歳真「あぁ…確か…地口って有名な言葉や似た言葉を変えて笑かすやつ?」
坂本龍馬「地口の一つも知らんかえ?」
藤村歳真「知ってるよ、坂本龍馬の地口がよう分からんだけよ 」
坂本龍馬「それって…わしの地口が
つまらん言う事かえ?」
藤村歳真「まぁ…滑ったね、今のは」
坂本龍馬「滑った?どういう意味じゃ」
藤村歳真「ん〜……その地口がつまらないと言う意味かな………ごめん」
坂本龍馬「ほぉ〜
そんな言い草があるがかえ?
地口が外れた時に滑った言うか。
おまんは不思議じゃのお」
藤村歳真「龍馬さんは聞いたこと無い? 」
坂本龍馬「無いのう」
藤村歳真「そうか…まぁ…今度使ってみるといいよ」
坂本龍馬「おまんはどこ出身じゃ?」
藤村歳真「蝦夷地」
坂本龍馬「蝦夷地ながか!蝦夷地からここまで来たと?おまん、よう殺されんと来れたなぁ」
藤村歳真「ん?〜あぁ~そうか…それは後で話すよ、そろそろ着きます。
西本願寺に着いたらまず、その傷何とかしないとですね」
坂本龍馬「そうじゃな」
坂本龍馬を背負いながら西本願寺に入る
藤村歳真「坂本龍馬…龍馬さん、足出してください」
坂本龍馬「ぐっ!あ”ぁ…いっ!ぐっ!」
藤村歳真「大丈夫ですか?」
坂本龍馬「こじゃんと痛うていかんぜよ!」
藤村歳真「はい、出来ました!
傷が結構深いので走り回ったりしないようにして下さいね」
坂本龍馬「おまん、よう処置できたのう、腕が立つがじゃ!」
藤村歳真「山崎さんから教わったんですよ、山崎さんは新選組の医者だからねw
良く山崎さんは我は新選組の医者なりって言ってたので、それが本当だとは…」
坂本龍馬「山崎…あぁ…土方はんも山崎つー名を言っとったなぁ」
藤村歳真「多分、龍馬さん山崎さんに会ってると思いますよ」
坂本龍馬「まことか?ん〜どない人じゃ?」
藤村歳真「土方さんの命令に忠実で色黒の体格のいい美男子とのこと」
坂本龍馬「………最初にわしに声掛けてきた者じゃろか?」
藤村歳真「さぁ?」
坂本龍馬「おまんは知らんと?」
藤村歳真「はい、朝起きて皆が話してるのを聞いただけなので、
龍馬さんに会ったんかぁと言う話を皆で
話ただけですのでどのように会ってどの
ように話したかは知りません、土方さんはそういうの話してくれませんでしたもん、秘密主義なので」
坂本龍馬「土方はんはそういう人じゃき、忍びに声かけられて出会うたがじゃ、
わしが殺されそうになった時も、その忍びが土方はんの命令じゃき、
助けただけぜよ、
言うて助けてくれたがじゃ。
けんど…あれが山崎言う男やったら
なかなかの肝っ玉ぜよ」
藤村歳真「………?山崎さんは土佐弁は
言いませんよ…?」
坂本龍馬「すまん、
わしの言葉が混ざったぜよ、
山崎ちゅう者は土佐弁なんぞ
言うとらんがじゃ」
藤村歳真「そうかwまぁ…
龍馬さんを助けたのは山崎さんだからね」
坂本龍馬「そうかえ、山崎ちゅう者
やったんやな、わしを土方はんに会わせてくれたのもわしを助けてくれたのもおまんにこれを教えたのも、山崎やったんやな…また会いたいのう…礼をちゃんと言えとらんし…」
藤村歳真「山崎さんなら…確か…今…江戸にいるんじゃないですか?」
坂本龍馬「まっことか!生きとったか!」
藤村歳真「いえ…元々は死ぬ予定でしたが…変えました」
坂本龍馬「ん?!………え???
どういう意味じゃ?」
藤村歳真「あぁ~いや…元々山崎さんは死ぬ予定だったので…」
坂本龍馬「予定って…?」
藤村歳真「あ…そうですね、今から言う事は龍馬さんを狂わせると思いますが、ちゃんと聞いてくださいよ」