きんとき「2人が犠牲にならない方法…探せばきっと…!」
スマイル「…もうそんな時間はないんだよ」
そんなの嫌だ
まだスマイルに好きだって言えてない
振られても良い
スマイルといられるなら、告白が失敗しても良いんだよ…ッ
きんとき「…やだッ」
スマイル「…大丈夫。お前らはまた今まで通り暮らせば良いだけ」
「俺達のことは忘れて…幸せになってくれ」
きんとき「…ッ」
必死に首を横に振る
スマイル「…きんとき」
名前を呼ばれたのと同時に、宝石が突き立てられる
次の瞬間、立っていられない程の眠気が襲ってきた
きんとき「うっ…」
スマイル「今までありがとう…おやすみ」
眠気がとうとう限界になり瞼を閉じかけた…”が”
肩に激痛が走り意識が現実に引き戻された
きんとき「い”ぃッ!?」
肩を見ると、氷柱が貫通していた
スマイル「…ゲホッ」
俺を貫く氷柱はスマイルの腹部にも貫通し、スマイルは口から血を吐き出していた
きんとき「スマッ…!!」
ナカム(?)「ア、失敗しちゃっタ」
きんとき「お前ッ」
ナカム(?)「宝石痛かったんだケド?」
スマイル「…そりゃあ良かったな」
ナカム(?)「…ムカつくナぁ」
ナカム(?)が氷の剣を作り、スマイルに斬りかかろうとした瞬間
ナカム(?)は表情を歪め、うずくまった
きんとき「…?」
スマイル「…ッ!!」
ナカム(?)「…邪魔…するノ?」
ナカム(?)は右目から涙を流し、震える右手で自分の首を絞めた
…”ナカム”だ
ナカムが必死で抵抗しているんだ
きんとき「ナカム!!…目を覚ましてッ!!」
ナカム(?)「無駄だってバ。君はもう大人しく寝てなヨ」
だんだんナカム(?)の右手の力が弱まる
ナカム(?)「ばいばい、”ナカム”」
スマイル「…あぁ、お別れだ」
スマイルがナカム(?)の身体に触れる
ナカム(?)「は?…ッ…オェッ…!??」
ナカム(?)が急に苦しみだし、スマイルを睨む
ナカム(?)「オ前…俺に何をしタ!?」
スマイル「お望み通りナカムとお別れさせてやるんだよ」
「ようこそ、”俺の身体”に」
ナカム(?)「なッ…!?クソヤロ…」
その言葉を最後に、ナカム(?)は気を失った
きんとき「…スマイル?…ナカム…?」
スマイル「…大丈夫。ナカムは普通の”人間”に…なったよ」
ナカムを見ると先程までの雰囲気はなくなり、静かに寝息をたてていた
きんとき「そっか…よかったぁッ」
スマイル「…うん」
『ピシッ』
きんとき「…?なんの音?」
後ろを振り返ると、ナカム(?)に刺された腹部から広がるようにスマイルの身体が水色の宝石に覆われていっていた
きんとき「ッ!?」
スマイル「…これで犠牲は俺だけで…済むかな」
『パキンッ』
スマイルの右足が折れ、俺にもたれかかる
きんとき「なんでッ!?」
スマイル「俺の身体にアイツを入れることができれば…後は俺が死ねば…アイツも一緒に消える…」
「アイツの意識がなきゃできなかったけど…運が良かったな」
スマイルの身体が氷のように冷たい
身体がほとんど崩れかけている
もう…助からない…
きんとき「…」
スマイル「…ナカムと、シャークんには…ごめんねって伝えておいてよ」
きんとき「…」
俺はスマイルを抱き抱え、ある場所に向かおうとした
不思議と肩は痛くなかった
ガチャっと扉を開くと、部屋の外で待っていたブルーク達が目を丸くする
ブルーク「何があったの!?2人とも傷だらけじゃん!?」
シャークん「…スマイル…?」
きりやん「…とにかく、早く手当てを」
きんとき「…必要ないよ。」
きりやん「…は?何言って」
きんとき「皆、ごめんっ」
「お前らのこと…大好きだったよ!!」
きりやんの言葉を遮り恥ずかしい告白を残して走り出す
いっぱい血を流したから身体はもうふらふら
でも苦しくない。怖くない。
覚悟は決まってる
そしてビルの最上階…屋上に着いた
スマイル「…きん、とき…?」
きんとき「…俺はスマイルが好きだよ。もちろん恋愛的な意味で」
落下防止の柵を越え、深呼吸する
スマイル「待っ…て、ッ…だめッ…!」
きんとき「スマイルを一人にはしないよ。お前は俺に生きてて欲しいって言うんだろうけど…」
スマイルを優しく抱き締めると、弱々しく抱き返される
ポロポロと宝石の涙を流して「ごめん」と言った
きんとき「これは俺がやりたくてやったんだから…。大丈夫、一緒にいこう?」
そうして俺達は…
屋上から飛び降りた
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
メリーバッドエンド
『一緒に』
コメント
6件
うわぁぁぁあ最高でしたぁぁ!! ありがとうございます🙇♀️🙇♀️🙇♀️
knsmメリーバッドエンドです! お待たせしましたぁぁぁ!!