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kono # ペア画中
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⋆⸜なぎしゃむ⸝⋆
14
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――23時59分。
部屋の明かりを消して、ベッドに寝転がった。
今日も、何も変わらない一日だった。
そう思っていた。
枕元に置いていたスマホが、短く震える。
ピコン。
こんな時間に誰だよ。
画面を見る。
メールが一件。
送り主は――不明。
件名もない。
ただ、本文だけが一行。
『明日、転校生が来る。』
「…は?」
思わず声が出た。
転校生?
そんな話、学校では一度も聞いていない。
いたずらかと思って、そのまま削除しようとした。
けれど、その下にもう一行あることに気づく。
『その子を、知らないふりをして。』
意味が分からない。
そもそも、会ったこともない人間をどうやって「知らないふり」するんだ。
俺はメールを削除して、スマホを伏せた。
「…くだらな」
そう呟いて目を閉じる。
けれど、なぜか胸の奥が、ざわついていた。
翌朝。
教室に入ると、いつもより妙に騒がしかった。
「今日、転校生来るらしいよ」
「マジ? 男の子だって」
「どんな子だろ?」
俺は席に座りながら、昨日のメールを思い出していた。
…まさか、本当に?
ホームルームが始まる。
担任が教室の扉を開けた。
「今日はみんなに紹介する人がいる」
その瞬間。
扉の向こうから、一人の男の子が入ってきた。
青色の髪。
少し緊張したような表情。
そして、教室を見渡して――
俺と目が合った。
その瞬間。
胸が、強く鳴った。
「…え」
知らない。
絶対に知らない。
初めて見る顔だ。
なのになぜか――
懐かしい。
彼は数秒、俺を見つめていた。
そして、ほんの少しだけ笑った。
その笑顔を見た瞬間、頭の奥に何かが浮かぶ。
夏。
蝉の声。
夕焼け。
誰かの手。
――『また会おうね』
「…っ」
頭痛がして、思わず額を押さえる。
「大丈夫?」
隣の席から声をかけられた。
「…大丈夫」
そう答えたとき、担任が彼を紹介する。
「今日からこのクラスで過ごす、ちぐささんだ」
彼は小さく頭を下げた。
「ちぐさです。よろしくお願いします」
そして、もう一度、俺を見る。
その目はまるで――
ずっと前から俺を知っているようだった。
放課後。
教室に残っていると、彼が近づいてきた。
「…あっとくん」
「ん?」
「俺たち…」
彼は何かを言いかけて、止まった。
「…ううん。なんでもない」
「?」
「これからよろしくね」
そう言って笑う。
俺は何も言えなかった。
ただ、その笑顔を見ていると、胸の奥が少しだけ痛かった。
まるで、忘れてはいけない何かを忘れてしまっているような。
その日の夜。
時計が23時59分を示した瞬間。
またスマホが震えた。
ピコン。
昨日と同じ。
送り主――不明。
今度は、本文が三行だけだった。
『彼女は、君を覚えている。』
『君は、彼女を忘れている。』
『7年前の約束を思い出して。』
「……7年前?」
指が止まる。
【7年前。】
何があった?
必死に記憶を辿る。
けれど、そこだけがまるで黒い霧に覆われたみたいに思い出せない。
そして最後に、もう一通。
同じ時刻に届いたメール。
今度は、たった一言だった。
『今度こそ、君を見つけた。』
その瞬間。
窓の外で、遠くから雷が鳴った。
俺はまだ知らなかった。
このメールが――
Next⇝♡100
コメント
1件
うわ、不気味で切ない…! 青い髪の転校生・ちぐささんが「知らないふりをして」って、もうその一文からして背筋がゾクッとしました。それなのに主人公の胸がざわついて、頭の中に夏や夕焼けが浮かぶシーン、すごく好きです。忘れているはずの記憶が疼く感じ、すごく繊細に描かれていて続きが気になります。7年前の約束って何でしょう…?