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「世界は日陰の元暮らさなければならない」ある組織の長が言った言葉だ
これは今も我々の間で一つの理念として存在している
これを言ったのは今もなお異常と向き合い続けている組織
と呼ばれる組織である
今回はそんな組織の一つを見ていただこう
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隠秘保全機構ー日本〇〇県支部
「どうしたものか、、、」
〇〇県支部の会議室での討論が終わった後
一人の男が資料を見て悩んでいた
「どうしたんですか〜部長?」
そんな彼に話を掛ける女性がいた
「いやなに、ただ緊急で入ってくる3名の職員について考えていただけだ」
彼は驚くこともなくいつものように話す
「へー、今回の子は”前”みたいにならなければ良いんですけどね〜」
「はぁ、、、本当にその通りだな、、、」
女性の何かを含んだ言葉に彼はため息を吐きながら答える
“前”女性が言ったそれは今から一ヶ月
事件記録328-Aとして記録媒体として残っている物である
入りたての新人がとある異常存在の管理方法を間違え
3名の職員が命を落とした事件
隠秘保全機構全体では3名程度の損失は軽い物だが
ここは地方支部そういった損失による業務効率の低下は計り知れない
「次は同じ轍は踏まん、、、はぁ」
彼は資料を指で弾くと同時に又もやため息を吐く
「部長〜そんなため息ばっか吐いてたら幸せが逃げますよ?」
女性は笑いながら言う
「幸せすらも操作出来るここじゃ、そんな話は脳の底に溜まりすらしないぞ?」
彼は資料を纏め立ち上がる
「さいですかぁ、、、そんでどこ行くんですか?」
女性は彼の顔を伺う
「ただ休憩するだけだ」
彼は胸元にあるタバコを取り出す
「体に悪いですよ〜?」
「いつ死ぬかも分からん場所で体調を気にするよりやりたい事をした方が良いだろう?」
彼は諦めたような又は呆れたように言葉を発する
「じゃあ私も仕事サボりますね〜」
「お前の首が跳ねることになっても良いならな」
彼は自身の首を切るような仕草をした
「冗談ですよーっとじゃあ私は仕事に戻りますね」
女性はくるりと身を翻し歩いていく
「ああ、今日も頑張れよ」
彼も身を翻し歩く
「いつも頑張ってますよ、、、死ぬ気でね」
女性も言葉を言う
「日に体を焼かれるんじゃないぞ」
彼は廊下の扉を開け移動する
「そっちこそ日傘を忘れないでくださいよ?」
彼は歩みを止めて振り返る
「当たり前だ」
彼は微笑みながら言った
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事件記録578-B 抜粋
##時##分
{検閲済み}博士の遺体が{検閲済み}研究所にて発見されました
当時{検閲済み}研究所では 異常存在NO.342 が脱走しており
{検閲済み}博士は 異常存在NO.342 に胴体を貫かれ死亡したと考えられます
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女性が1人寂しそうに過去の事件記録を眺める
「{検閲済み}博士私も貴方と同じ立場になれたんですよ、、、」
彼女の片方の手にはタバコが握られていた
「私に忠告してくれたのは貴方じゃないですかっ、、」
女性は泣きそうな声でか細く言う
「なのになんで貴方が先に死ぬんですかっ!!」
女性は彼が良く仕事の休憩中にいた場所で泣く
「私は貴方のことが好きだったのにッ、、、、」
女性の涙が資料を濡らす
隠秘保全機構全体で言えば1人の博士が死んだだけだ
損失は何もない
これは仕方がなかったんだ
もう彼は戻ってこない
「ビッグ、、うう、、、」
女性の泣く声が響く
奇跡は起こらない
こうして世界は回っていく
彼女らは太陽に焼かれ続けながら歩き続ける
後ろを歩く人々に日陰を差し伸べるため
true end fin
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….ん?
ああ俺たちの会話記録を見たのか
どうだった?
もう彼女は俺を見れないが
俺はここにいるさ
え?
「ご都合主義で戻らなくて良いのか?」だって?
…いや遠慮しておくよ
そんなことしたら俺が隠秘保全機構に目をつけられて
収容されるのがオチだ
死者蘇生なんて飢えたライオンの檻に肉を突っ込んだらどうなるか
それの結果を見るより明らかだぜ?
…まあそんなことだからさ
お前らはこれからも記録を見ると思うが
どうか目を焼かれないようにな、、