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…………

お昼寝から目覚めれば、隣に響がいる幸せ。


「眠れたか?」


「うん…どれくらい寝てたかな」


「たっぷり2時間だな」


「響も眠れた?」


まったく…と言う返事を聞きながら、響に抱きつく。


しっかりした筋肉…私が全身の力を抜いてもたれかかっても、きっとビクともしないで支えてくれそうな大きなカラダ…。


「響…大好き」


頬にチュウ…とキスをすると、背中に回してた響の指先がジリ…っと動いた。


「…琴音」


吐息が耳にかかって「やん…」なんて変な声をあげて首をかしげて耳をかばえば、響が本格的に動き出そうとしたから…


「喉渇いたー!お水」


そう言ってベッドを降りたのは、全然悪気はなかったんだけど…


「…響…?」


飼い主に置いてかれた大型犬みたいに寂しそうな顔をしてるのは何でなんだろう…。



2人でリビングのテーブルでお茶を飲むことにする。


「焦るな…俺」


響のつぶやきが聞こえたけど、何かに焦ってるのかな?



ハーブティーを淹れて、響にも差し出す。


今度、お揃いのマグカップが欲しいなぁ…

響がブルーで私がピンク、みたいなベタなやつ…!


想像してニヤけながら、ふと響に聞いてみた。



「そう言えば…真莉ちゃんに連絡したのって、どんなミッションのためだったの?」




「…真莉?」



途端に部屋の空気が氷点下の寒さになった気がする…。



「…こ、この前、真莉ちゃんに誘われてランチした時、響から連絡があったって聞いたから」



明らかに、不機嫌になってしまった…。


なぜ?

いろいろあったけど、真莉ちゃんは私と響がうまくいくことを願ってくれてるし、会えない間に不必要なコンタクトなんて取ってない…。


それは響も理解してたから、真莉ちゃんに連絡したんじゃないの?




「今、真莉の話はしたくない」



「あ…ごめん。真莉ちゃんには後で連絡してみる。それより…」




「…連絡なんかするな!」




響はカップを置いて急に立ち上がって、私に背を向ける形で、ソファにドカっと座った。



真莉ちゃんは友達、親友って理解してくれたと思ったんだけど…やっぱり異性間の友人関係を本当の意味で理解してもらうのは難しいのかな…。



でも…せっかくまた一緒に暮らせるのに、響に怒られるのも悲しい…。



「ごめん、響。機嫌直して…」



ソファの後ろにそっと近づき、背後から首に抱きついてみる。


ちょっとだけビクッとした響。


後ろから、その頬に口づけた。



「あ…甘えたって、ムダだ」



私の腕をほどいて立ち上がり、響は書斎へ行ってしまった。





…1人残された広いリビング…。




さっきまですごく甘かったのに…怒っちゃった…。


やだなぁ…せっかく誤解が解けて、また一緒に暮らせるのに。


今日、私の行動を予測して捕獲してくれた響。

なんと言っても、私のためにカフェ事業に乗り出してくれた響。


…今度歩み寄るのは私だ。




…書斎の前で、大きく深呼吸する。




「…響、入っていい?」


返事はないけど、そっとドアを開けてみる。


ソファに座る後ろ姿。


「あの…響」


恐る恐る前に回ってみると…



目の前の大きな窓に目をやって、腕組みして座ってる。


でも…その表情は、見たことないほど寂しそうに見えた。



さっき、真莉ちゃんの話題を出しちゃいけなかった…とっさにそう思った。



私には幼なじみで親友でも、響には何か別の思いがあるのかもしれない。


私は響の横に座って、黙ってその腕にしがみついた。


「…なに…?」


しがみついて見上げる私と目が合うと、響は少し笑って聞いてくる。



「くっつきたいから…」


「不安そうだな」


「だって怒ったみたいだから」



フッと笑った響、組んでいた腕をほどいた。


膝の上があいているのを見て、甘えるように言ってみる。



「上になってもいい…?」

「…は?」


響の膝の上に跨るように座って、腕を首に絡ませる。


「…これが?」


「…上になった!」


正面から抱きつくと、これ以上ない密着感が幸せ…。


大好き…響。


そんな気持ちを込めて、こめかみに、頬にキスを落とす。






…頬へのキスから、思い切って唇に移ろうとしたとき、急に響が動き出した。







………………


瞬間、腰のあたりをぐっと引き寄せられて、下半身の隙間を埋められる。


同時に、食べられちゃいそうなほど余裕のないキスが落ちてきて、熱い舌が絡む…


はぁ…と漏れる吐息が、どちらのものか、わからない。


響のキスに…翻弄される。


舌が絡み合うって、気持ちいい…



うっとりした私に気づいているのか…響は唇を舌先でツー…と撫でながら、大きな両手がロンTの裾をまくった。


一瞬ハッと身構えちゃうけど…


腰のあたりを触る手が、背中まで上がってくる…

官能的に撫でる手が、もう一度ウエストから腰まで降りてきて…ショーツが見えちゃう恥ずかしさを感じる余裕もなくなった…



「…くすぐったい…背中…指先…」



背中を、腰を這うのは…いつの間にか指先。



「…あ…ん…も、やぁ…だ」



吐息を漏らす私に、響は妖しく笑ってみせた。



「…くすぐったいんじゃなくて、感じてるんだよ」



一瞬…強く下半身を押し当てられて、もう一度唇を塞がれた。絡み合う舌が唇を離れたわずかな隙に…手品みたいにTシャツを脱がされる。




下着姿の胸元を見る、響の視線が痛い…



「あんまり…見ないで」


「…そんなのムリ」



耳たぶを甘噛みされながら、ふわり笑う響

の表情がどうしようもなく色っぽくて…


「や…ぁ…んっ」


キスは耳に移ってフーッと息を吹きかけられる。


チュっと耳元で聞こえる音が妙に官能的で、ドキドキしてたまらない…




耳を這う舌に、抑えようとしても甘い声が漏れて恥ずかしい。



「琴音…もっと声出して…」



いつもよりずっと低い声

耳元で吐息まじりに囁かれれば…



「…やん…っ」



短い悲鳴になる。


なんだろう…モゾモゾして、キュンキュンする。



旅行のとき、響に触られたときみたいに、

もっと…


恥ずかしいけど…その時よりもっと触って欲しくて…




ものすごく、大胆なことをしてしまったかもしれない…


スパダリは甘くない

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コメント

7

ユーザー

やっと2人結ばれるのかな?💓💓💓🫣🫣🫣

ユーザー

やっとここまできたね!響!

ユーザー

男って面倒だよね。他の男の話をするとご機嫌が悪くなるもの。 今、出していい雰囲気なのか考えて名前を出さないと拗れちゃ厄介だよね😔

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