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元の世界に戻った後の自己満((
※烏楼ちゃんは未成年なのでR15です。
あの時の思い出は、夢だとも思った。
それは長い夢で、幻想だったと思った。
けれど、それは幻なんかじゃなかったから。
「じゃぁここの問題を…式部、答えてみろ!」
「3x。」
「正解だ…お前寝てなかったのか。」
「寝てねぇよ!?」
教室にドっと笑いが起こる。
式部 烏楼は、あれはずっと幻だと思っていた。
ふと思い出した記憶、だが夢のようで、どこか現実味があった。
だから、少しボゥっとする時も増えた。
授業は聞いているのだが、思考はどこか遠くへ飛んでいく。
大学受験の真っ只中だというのに、上の空。
「烏楼氏、恋煩いでござるか?」
クラスメイトの若村 舞蹴が尋ねる。
「…まぁ、そんな感じ。」
「烏楼氏が否定しないだと!?」
よほど珍しいのか、椅子をガタガタッと震わせる舞蹴。
「悪いかよ…///」
「いや、寧ろ友人として誇らしいでござる…だが」
舞蹴は少し申し訳なさそうに呟く。
「大学入試まであと三ヶ月ほどでござるよ…?」
「…そうなんだよな。」
烏楼が以前亡くなったのは10月だった。
理由はショックによる気絶からの、螺旋階段からの転倒である。
転生から戻ってくる時、烏楼は屋上に向かう直前に記憶を戻すようにとした。
その結果、受験の真っ只中に放り出されることになったのだ。
転生前の記憶があるとはいえ、暗記ものの内容はあほほど覚えなければならない。
況してや推薦でもなければ厳しいものである。
烏楼は、一応滑り止めを受けているものの、秋葉原の自宅からは遠い。
本命は近場の大学、第二志望は長野大学である。
長野の理由は、寮などがなくても通える学校だからである。
即ち、泡宮姉妹の自宅に居候する気である。
(泡宮ラティップ及び泡宮ビアンヌは転生後軽井沢住み。
ラティップに関しては、現在海沿いの大学病院に泊り込み。)
一方舞蹴はというと、海外の大学から推薦状をもらい、行くことが決まっていた。
これが庶民と金持ちの差だと、烏楼は屈辱を感じた。
「まぁ烏楼氏は拙者より英語の成績がいいのでござろう?いけるでござるよ!」
「それ以外がダメなんだよ…」
そう、某イギリスハーフ姉妹の教えにより、ネイティブ級に会話ができる烏楼だが、ほかの教科は苦手なままだ。
「折角でござる、友人として家庭教師兼外交官を紹介するでござるよ!」
「いいのか!?」
「武士の情けでござる」
「それってめっちゃ嫌って意味じゃなかったか?」
他愛もない話は、運命を変えて行くものである。
放課後、烏楼は大量の手荷物を持っていた。
明日は休みなので、折角なら止まっていくという話になったのだ。
もちろん、兄には全力で止められそうになったが…。
烏楼は待ち合わせの駅に向かうと、高級車が止まっていた。
「烏楼氏遅いでござる!フンスフンス」
「高級車止められたら戸惑うだろうが…w」
笑いながらも、荷物を預けて後部座席に座る烏楼。
「ところで、その外交官って誰なんだ?」
「?知っているでござろう。」
「鬼檻 駿氏でござるよ。」
烏楼にとって、今一番会いたくない相手だった。
理由は単純だ、記憶があるか否か。
あってもなくても気まずいものは気まずい。
ただでさえ今恋煩いしている相手なのだから。
下手に話すのも危ういと判断した烏楼。
だから最近、舞蹴の家にいかないようにしていたのに…。
烏楼の頭の中で、様々なシュミレーションが思い浮かぶ。
一方で、そんな烏楼をみてほくそ笑む舞蹴。
(これはまた、面白くなりそうでござる…)
(転生前の記憶がないと思っているなんて…)
(全く、理系とはいえ、運命くらい信じて欲しいものでござるなぁ…w)
そう、この舞蹴という男、策士である。
こんな口調でありながら、自他ともに認めるイケメンの彼。
心理学を得意としているため、人の恋煩いの相手などすぐにわかるのである。
つまり、彼からしたらとても焦れったい。
ということで、折角親友が頑張っているのであれば、恋路は応援すべきだと考えたのだ。
まぁ、結果的に気まずいを生み出すのだが…。
烏楼は応接間でウロウロしていた。
烏楼だけにってそんなわけあるか。
烏楼にとっての問題は、勉強を教えてもらうという羞恥より会うことへの恐怖である。
数分後、ドアノックと共に駿が入ってくる。
あの時と同じ顔、あの時と同じ仕草。
「久しぶりだなっ!」
烏楼はできる限り平然を装った。
駿は少し驚いた表情をした後、ふっと笑った。
「久しぶり、元気にしてた?」
いつも通りの声色だった。
いや…違う。
「…えっと…何かあったか?」
烏楼は探るように話しかける。
駿はしばらく考えた後、ため息をついて歩み寄る。
「ぇっと…駿…?」
「覚えてるんだろ…アレ。」
「…寂しかったんだからな?//」
烏楼はみるみる顔を赤くする。
徐々に後ろに下がる烏楼、歩み寄る駿。
もはや壁ドン状態で、壁際からは逃場はない。
烏楼はパニックでぐるぐるしている。
「い…いつから…?」
「こっちで生まれた時からやり直した。」
「烏楼が覚えているって知ったのは舞蹴様から。」
とすると、初めて出会った時にも、駿には記憶があったのだ。
申し訳なさと後悔でいっぱいになる烏楼。
「ごめ…覚えてないと思って…」
「知ってる…大丈夫だから。」
泣き止んでと言って、そっと烏楼の額に口づけを落とす。
あぁ、駿ってこんなに上手だっただろうか。
思考もままならない烏楼にとって、いまの状況を整理できるほどの脳内のキャパはない。
だからこそ、つい本音が出てしまうのだ。
「駿…もう一回…//」
「はいはい…w」
今までの空いていた時間を埋めるように、長いようで短い時を重ねる。
離れれば、現実に引き戻されると同時に、それを事実だと改めて感じさせる。
「勉強…しよっか。」
「あぁ。」
烏楼は、幸せで溢れた雫を隠すように拭った。
きっとそれは、バレていないはず。
Next…mnlt &mnca
#カンヒュイラスト
seala @ にゃ
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seala @ にゃ
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コメント
3件
You are genious.
先述しておきます。 烏楼ちゃんは女の子です!!
うわあ、甘くて焦れったい…!読んでてこっちが照れちゃうよ// 烏楼くんが駿くんに会うの怖がってるところと、実際再会したら壁ドンで「寂しかった」って言われて赤くなるところ、ギャップが尊すぎる…。舞蹴くんの策士っぷりも面白くて、この後の展開が気になる!次話も楽しみにしてるね🌙