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光の扉が虚無の奥に浮かび上がる。
白銀に輝き、どこか懐かしい校門の形をしていた。
理沙は息を整え、歩を進める。
背後では虚無がうねり、なおも彼女を引きずり込もうとする。
だが、胸に抱いた仲間の声が力をくれた。
――菜乃花の優しい笑顔。
――真綾の涙。
――瑞希の強がり。
――穂乃果の心配そうな視線。
――里奈と香里の姉妹の絆。
それらすべてが、理沙を支えていた。
「……私は、ここから出る。みんなと一緒に」
懐中電灯の光が最後の輝きを放ち、扉が静かに開いていく。
眩しい光に包まれた瞬間、理沙は気づいた。
夜の校舎は消え、彼女は朝の教室に立っていた。
窓から差し込む陽射し。
机に座っているのは――菜乃花、穂乃果、里奈、香里、真綾、瑞希。
「おはよう、理沙!」
まるで何事もなかったかのように、みんなが笑顔を向ける。
理沙は思わず涙をこぼし、机にすがった。
「……帰ってこれた……みんなと一緒に……」
チャイムが鳴る。日常が戻ってくる。
だが理沙は知っていた。
この絆は、幻ではなく確かに刻まれたものだと。
――夜の学校脱出ゲームは、こうして終わりを告げた。
光をくぐり抜けた瞬間、理沙は目を閉じた。
そして開いたとき――そこには誰もいなかった。
白い教室、誰もいない机。
窓から差し込む光は、どこか冷たい。
「……みんな?」
返事はない。
理沙の手には懐中電灯だけが残り、仲間の姿はどこにもなかった。
背後に閉じた扉から声が響く。
『選ばぬ者は、孤独を選ぶ』
理沙は崩れ落ちた。
「いやだ……いやだよ……!」
涙が止まらない。
彼女は確かに扉を抜けた。だが、その代償は“永遠の孤独”だった。
――夜の学校脱出ゲームは、こうして幕を閉じた。
あなたが理沙の立場に立った時、どういう結末にしますか?ここから先はあなたの想像にお任せします。この物語をどう終わらせるかはあなた次第です。
さあ、あなたはどっちを選ぶ?