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有る,真夏の様に蒸し暑い日,


少女は,人に恋をしました。


恋を抱いた人は,女の子でした。


少女は,其れを母に告白しました。

『私は,女の子が好き』

だと,

母は,


「え?,い…今待っていて頂戴?直ぐお父さんの昔の服を持ってくるわ,大丈夫よ。貴方は背も高いし……ね?」


母は,勘違いをしていました。


少女は,只。

“女の子が好き”

と,伝えただけなのに……


少女は,思いました。

『何故?……女の子が好きなだけで,男の子に成りたい訳じゃ無いのに……』


少女は,

そう想いながら,

月が照らす暗闇の中で

誰にも知られずに,只,独りで泣いていました。


少女の涙で枕が濡れる。

少女がどんなに苦しんでいても,


母はそんな事知らずに

ぐっすりと眠りに着いている。


少女の目が泣き過ぎてしまった所為で赤くなってしまっても,


誰かはそんな事は知らずに,

幸せを噛み締めている。



少女は今も,人生と言う名の,

悪夢に魘されている。


決して叶う事の無い”恋”

分かって貰えない”苦しみ”


此辛い辛い現実から逃げ出したくても,

“一歩”,踏み出す事が出来ない。



そんな,



弱虫の恋する乙女の物語。











end__________『勘違い』

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