そして時は過ぎていった。
竜胆のいないただ暑いつまらない日が過ぎていった。
もう弟はいない。何度その名を呼んでも、帰ってこない。
家族も、クラスのヤツらもいるのに…
あの忌々しい夏の日を思い出す。
俺は今でも竜胆の名を呼び続けている。
「クソッタレが…」
竜胆をずっと探しているんだ。
竜胆に言いたいことがあるんだ。
9月の終わりにくしゃみして、6月の匂いを繰り返す。
竜胆の笑顔は竜胆の無邪気さは、頭の中を飽和している。
誰も何も悪くないよ。
竜胆は何も悪くないから…
「そう言って欲しかったんだろ?」
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