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「のうレイラ、生きる上で一番大切なものが何か分かるか?」

我ながらいい質問をしたと思いながら、この半分後輩に押し付けられた思い書類を運ぶ。

レイラ「た、大切なものですか?」

レイラ「お金…とか?」

レイラは長く考えた挙げ句、そう答えた。

ファルザン「それもそうじゃな、何事にもモラがなければ事はうごかぬ。」

新しい研究、開発、勉強。

何事にも材料、発見、そしてその発見のための辞書が必要となる。

ファルザン「だが、ワシは違うと思うのじゃ。」

レイラ「えっ?…じゃあ何が」

チッチッチ…といって答える。これは完全に決まった。

ファルザン「生きようとする心じゃ」

レイラはいまいちピンと来ないようで長く悩んでいる。

経験したことのない若者には分からないことだろう。

ファルザン「では質問を変えよう。」

ファルザン「モラがなくても人に物乞いをしている人間、モラはあるが、全くうごかない人間。」

ファルザン「お前にはどっちが生きていると感じる?」

レイラ「それは前者のモラがなくても物乞いしてる人じゃないですか? 」

ファルザン「ほう、何故そう思ったんじゃ?」

レイラ「だって人形のように動かない人より、動いている人の方がいきいき…?してるじゃないですか」

当たり前のようにレイラはそう放った。

ファルザン「そうじゃ、例えモラがあったとしても動くことがなければ死んだ後に残る遺産のようなものなのじゃ」

レイラは納得したような、はたまたしていないような表情をしていた。

相変わらず、わからない後輩だ。

レイラ「それにしても、急に何故こんな話を?」

ファルザン「最近、魂の抜けたように殿堂に入り浸っておったじゃろう?」

ファルザン「先輩からのアドバイスじゃ」

ファルザン「論文が大変じゃろうと、悩むことをやめてしまってはならん。」

ファルザン「やめたらわざわざ教令院に入った意味がないじゃろ?」

そう終いにウインクをすると、レイラの周りに花が咲いたかのように明るい表情になった。

レイラ「ファルザン先輩、ありがとうございます!」

もしこのまま見過ごしていたら、本当に魂が抜けていたかもしれない。

過去のワシのように。








紙には全て書いた。壁も使った。床にもびっしり式が書かれていた。

ファルザン「お母さん…。タミミも…。」

今、何年経過したのだろう。

確か20年までは数えていたけれど、完全に時間感覚を失って、もう忘れてしまった。

それでも、腹が減ることも、砂漠というのに喉が乾くこともなかった。

眠気が襲ってくる。もうこのまま永遠の眠りへ着いてしまおうか?

お母さん達は悲しむだろうけど、だからと言って打開策は思い浮かばない。

白かった紙は黒に埋め尽くされ、走らせるペンのインクは無くなった。それから落ちていた破片で壁を削り、それが折れては爪を使った。

昔から、考えることが好きだった。色んなことを不思議と思い、解明してきた。

でもこの謎は解けない。わからない。

目蓋が落ちていくのを確認していたそのときだった。

「誰かのために謎を解き、誰かのためにヒントを残す」

過去の自分の言葉だった。このために数多くのなのぞを解き明かしてきた。

ファルザン「次の奴に…告げないと…」

眠るのにはまだ早い。次に誰か落ちるかもしれない。そのとき、その人物がどんな状態かわからない。少しでも早く解き明かせる方がいい。

爪で引っ掻いて、石を投げて、叩いて、壁の外装を剥がして新しい式を書き込む。

少しでもヒントを繋げなければ。

それが何ヶ月後、何年後、何万年後だったとしても少しでも多く残さなければ。



その判断は正しかった。

答えを導きだし、外へ出た。

世界は大きく変わっていて、人の言葉も違うように感じて、三十人団によりシティにつれられ、ビマスタリンで診られた。


そこには先生も、お母さん達も、タミミも、同級生も、先輩も、後輩もいなくて。

百年ものあいだ、取り残されていた。

流れ行く空気も違う味で何もかもスメールではない気がした。






ワシほどではなくても、レイラは最近、そんな干からびるような顔をしていた。

ワシが答えを探っていたときのような焦りを持っていた。

今、ここに生きているのだから。さらに紡いでいくのだ。

100年前の知識も、その他の多くの知識も


その想いがきっと、あの遺跡を出る鍵だったから。

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